『今日好き 冬休み編2024』最終話ーー「幸せになってほしいです」人気女子メンバーの全力の恋に終止符
らいと、みづきを最後のアピールタイムに誘った理由は? 「放っとけへんかった」
この旅が始まった当初は、“公開オーディション組”のくめはる(久米陽斗)&みづき(秋山みづき)がふたりで綺麗にカップル成立するものだと思ってやまなかった。しかしながら、現状はどうだろう?
恋とはわからないもので、みづきはくめはるを追いかけるもなかなかに反応が薄く、あれほどの洗練されたビジュアルを持っていたとしても、自身に向けた恋の矢印はひとりとして飛んでこない。それはきっと、彼女がくめはるを一途に追いかけていると周囲に伝わっていた裏返しなのだろうが、一途な恋が必ずしも結果に結びつかないとは、過去の『今日好き』メンバーが幾重にも歴史を重ね、見せてきてくれたところである。
そんなみづきに共感したメンバーが。前回の5話終盤、“最後のアピールタイム”の相手に彼女をサプライズ指名した、らいと(奥村頼斗)である。みづき自身、らいととはここまで関わりが少なかっただけに驚いて見えたが、内心ではその意図を理解していたとのこと。「めちゃくちゃ気持ちわかるから、放っとけへんかった」と、らいとの優しさが染み渡る。こんなの、みづきの立場だったら心変わりが生まれてしまうじゃん。また、この2ショットの終わり際には、お互いに気持ちをスッキリさせるため、海に向けて本音を叫ぶことに。そこまで導いてくれる、らいとのメンタルコーチぶりたるや。
さておき、みづきはくめはるを好きになった理由として、自分に向けてくれる笑顔がいつもあったからだと気づく。「(くめはるに)笑っててほしいなって」と、恋愛の難しさから曇りがちなその表情に、再び陽だまりのような笑顔が戻ってくることを願っているようだ。前回、らいとははるな(村谷はるな)に対して、彼女が自身でなく、こう(三富昂)、あるいはたくや(林田拓也)と結ばれる未来を応援したいと背中を押していたが、みづきの想いもまた、くめはるに対するそれだと思えてくる。
結果的にみづきはこの後、くめはるに告白。最後まで諦めることはなかったが、くめはるからは“一緒に頑張っていく仲間”と感じたと、“友だち感”ともまた異なる、いわば“戦友だから”という理由からフラれてしまった。告白を終えてその場を去るとき、後ろを振り向いたみづきが「うまく伝えられなかったな……」とこぼしていたみづき。どれだけ朗らかに見えたとしても、本心では涙していたのだと思う。
もしかしたら、その後のソロインタビューで打ち明けられた「くめはるくんが誰を好きになっても、幸せになってほしいです」という言葉は、本心だったのかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれない。そんなにすぐ、好きだった想いを諦められるだろうか? その答えは、みづき自身しか知り得ることはないのだが、どんな形であれ、彼女が抱えているのは恋というより、もはや“愛情”といえる。らいとから始まった応援の和が連鎖して、みづきからくめはるへの愛情となり、その想いの行き着く先はーー。
とはいえ残念ながら、らいと×みづきの会話の直前、くめはるは気になっていたまほこ(瀬乃真帆子)とのアピールタイムで、こんなことを伝えていた。まほこには、大好きならいち(甲斐虎壱)のことを考えてほしいと、心のどこかで思ってしまった。ふたりの関係を応援したい。らいちと頑張ってほしい、と。まほこはその想いを受け取り、最終的にらいちとカップル成立を果たす。今回の『冬休み編2024』で、唯一の成立カップルだ。
残念ながら、みづきの想いが報われることはなかったものの、繰り返しにはなるが、直接的ではないにせよ、らいとから始まった想いの連鎖が“らちまほカップル”の誕生に繋がった。あまりに切なすぎる旅の後半だっただけに、せめてそうとだけでも思っておきたい。