『あいの里 シーズン2』は「擬似恋愛より疑似体験してほしい」 プロデューサーが目指す“リアリティ番組の理想形”

メンバーの人生を「疑似体験」してほしい
しかし、シーズン1と同様に「涙が止まらなかった」という意見が少なかったわけではない。前回以上に深い人生経験を持つメンバーを迎えて、有り余るほどの見せ場を作ってくれた。

「僕が見せたいのは、人間讃歌なんです。実際の恋愛や人間関係は泥臭いものです。だからこそ恋愛リアリティショーという一種の“疑似恋愛”の需要が途絶えないんだと思っています。そして僕が伝えたかったのは、現実では味わいにくい“美談”の部分です。30代〜40代の女性が抱える出産リスクに対する現実的な姿勢や、人生後半の恋愛にチャレンジする50代が振り絞る勇気。視聴してくれた人に学びや勇気を与えられる作品こそが、リアリティ番組が目指す一つの理想形だと考えています」
「テレビ主導のあいのり時代といま違う」ということも、西山さんは理解しているという。様々な人が持つ意見の中には尖ったものもあり、どんな意見もシームレスに、誰の目にも届くのが、現代のSNS時代だ。
「僕は何度も取材のなかでお伝えしているのですが、僕のなかで「あいの里」は恋愛リアリティショーではなく、ドキュメンタリーなんです。人間ドキュメンタリーのなかでは、恋愛は一側面であって、友情や成長、苦難などの人生体験をひっくるめてお届けしているつもりでいます。だからあいの里では、疑似恋愛というよりも、疑似体験を感じてもらえたら嬉しいです。国際結婚や闘病経験、卵子凍結……自分がまだ経験はしていないけれど、いつ経験することになるか分からない体験をしているメンバーが思いを吐露しています。人生のなかでも恋愛はすごく大切だけど、それと同じくらい、苦難の乗り越え方や、仲間との友情が大切になっていくと思います。ぜひそこにも目を向けながら、作品を最後まで楽しんでもらえたら嬉しいです」
■Netflixリアリティシリーズ『あいの里 シーズン2』世界独占配信中
Netflix『あいの里』は恋愛リアリティショーではないーー『あいのり』から“人間の素”を撮り続けてきたプロデューサーが明かす制作秘話
2023年、恋愛リアリティー番組に新しい風を吹かせたNetflix『あいの里』。これまでにない幅広い年齢層のメンバーが、古民家で…