文字入力で敵を倒し、自由なビルドでクリアを目指せ! “ヴァンサバ風”タイピングゲーム『Glyphica: Typing Survival』
オートで攻撃を繰り返しながら、襲い来る敵を倒し続けるカジュアルゲーム『Vampire Survivors』。シンプルなゲームデザインと病みつきになって遊んでしまう依存性の高さが評価され、多くのフォロワーが生まれた作品だ。
今回紹介するのもそんな「ヴァンサバライク」のひとつ。しかし、ユニークなのは「タイピングソフト」であるという点だ。360度あらゆる方向から襲い来る文字をタイプし、ボスを倒そう。これはまったく新しいタイピングローグライトの形である!
素早くタイプし、ビルドを構築し、ボスを退けろ! ヴァンサバ×タイピングの面白さ
『Glyphica: Typing Survival』の画面構成は本家『Vampire Survivors』と同じだが、自機はまったく動かない。中央に座し、ただ敵が寄ってくるのを待つばかりである。
できることは、近づいてくる敵の文字をそのとおりにタイプするのみ。kawa、ashi、waritoなど、あらゆる品詞の短い言葉がちょっとずつ近づいてくる。真ん中まで辿り着いてしまうと、自機のHPが削られてしまうので、その前にタイプして敵の文字を倒そう。
もちろん、レベルアップの概念も存在する。ある程度文字をタイプしていくと経験値が溜まってレベルが上がり、三つの選択肢から好きなアップデートを選べるのだ。メイン武器の火力や、オートタレットの反応速度、特定の文字に反応して攻撃してくれるモジュールなど、アップデートは多岐に渡る。
純粋なタイピング力だけでは突破できないような凄まじいウェーブが来るので、その前になるべく効率の良いビルドを組まなければならないのだ。とはいえ、ただレア度の高い順に取っていっても、なんとなくクリアできてしまうあたりも『ヴァンサバ』のカジュアルさに似ている部分がある。
本作はなんといってもボス戦が面白い。ボスは時間経過で画面上部に現れるのだが、他のザコ敵と違い、とにかく文章が長い。松尾芭蕉の句や夏目漱石の『吾輩は猫である』などの文学作品がつらつらと書かれており、全部タイプし終えるとステージクリアとなる。
ただし、ザコ敵も待ってはくれない。集まってくるザコ敵を凌ぎつつ、合間を見てボスの長文を崩す……といったマルチタスクが必要になってくるのだ。これがとにかく忙しい!
現在のバージョンでは、シンプルに弾丸をばら撒く「リピーター」と、一方向にじわじわとダメージを与えていく「ヒートビーム」の2つのメインゲームが実装されている。他にも4つのメインゲームを追加予定のようなので、気長に待とう。仮にトライアルをすべてクリアしても「オーメン」という高難易度コンテンツが用意されているので、チャレンジし甲斐は充分にある。
とはいえ、本作も気になる点はいくつかある。
たとえば、キー入力のパターンを変えられないところだ。funeと表示されているものはhuneと打っても弾かれてしまうのである。ここが難易度設計であるのはわかるが、やはり手慣れた入力パターンで遊べるようにしてほしかった。
また、多くの武器アップデートは散らばる攻撃を行うので、次に打とうとした文字が攻撃の余波で倒されてしまい、自分が打った文字がミスになってしまうことが頻発する。その結果、完璧な入力のコンボが途切れてしまうのだ。ここはある程度ファジーな判定にしてほしかった。
と、いくつかアップデートの余地はありそうだが「ヴァンサバライク」にまたしても新しい1ページが刻まれたのは事実だ。リリース初日から複数の言語に対応している点も素晴らしいので、ぜひとも日本語以外の設定でも遊んでみてほしい。
強靭な指をお持ちの方は、無限モードという腱鞘炎製造機にもチャレンジしてみてはいかがだろうか……?
『スーパードンキーコング』でおなじみデビッド・ワイズの音楽が彩る痛快アクション『Nikoderiko: The Magical World』レビュー
10月15日、キプロスのインディースタジオであるVEA Gamesが開発した『Nikoderiko: The Magical W…