にじさんじ最初期メンバーが続々活動終了 『VRChat』は人気クリエイター参戦で勢いを増す

7月29日のバーチャルなニュース振り返り

鈴谷アキが活動終了へ ピリオドを打つ最初期のにじさんじメンバーたち

 『にじさんじ甲子園2024』がもりあがりを見せるさなか、にじさんじ1期生の鈴谷アキが8月31日付けで卒業し、活動を終了することが発表された。Xアカウントは同日に非公開となり、YouTubeチャンネルでは一部動画は残存する見込みだ。

 鈴谷アキといえば、いうまでもなく最初期のにじさんじを支えたひとりであり、その離脱はやはりさみしいものがある。にじさんじでは今年1月には1期生の勇気ちひろが、6月には2期生の鈴鹿詩子が活動終了に至っており、最初期のにじさんじメンバーからも卒業者が現れ始めている状況だ。

 もちろん、新規タレントも着実にデビューしているし、既存タレントの3D化も続いているので、事務所として陰りが生じているわけではない。数多くのタレントを有する国内屈指の事務所に、大きな変化が続いている、と見るのが自然だろう。

“スタンミ旋風”はまだ続く? 新たな参入を果たすタレントも

 ここ数週大きな盛り上がりを見せている『VRChat』。さすがに2週間経てば落ち着くと考えていたが、盛り上がりはむしろ加速している。

VRChatで偶然出会った謎の生命体に、腹筋を壊されるスタンミじゃぱん【VRChat】
VRChatで仲良くなった謎の生命体と、夏休みを過ごすスタンミじゃぱん【VRChat】

 熱気の中心にいるのはやはりストリーマー・スタンミだ。不思議な魅力を放つ宇宙人アバターユーザーとの交流が大きく注目され、切り抜き動画が100万再生、急上昇1位を記録するなど、かつてないヒットを記録している。このユーザーとともに『VRChat』を楽しむTwitch配信も、筆者観測時には同時接続数が12,000人以上と、記録的なスコアを叩き出している。

 『VRChat』関連の動画がYouTube急上昇1位に上り詰めるのは、筆者の知るところでは前例が思いつかない。そんな状況を知ってか知らずか、『バーチャルマーケット2024 Summer』のUUUMブースに登場しているストリーマー・やみえんも、『VRChat』上での企画を動かし始めたようだ。『VRChat』がストリーマーの遊び場として届き始めている可能性もあるかもしれない。

 さらに、『CGWORLD』の2024年9月号が、『VRChat』を大々的にフィーチャーしてきた。『VRChat』を「クリエイティブ・ワンダーランド」と称し、企業案件の実績豊富な株式会社往来の解説、アバターブランド「YOYOGI MORI」やクリエイティブチーム「QuickBrown Design Studio」を取り上げる、内容の濃い一冊になる模様だ。

 バーチャルファッションの領域では、MARK STYLERが運営するファッションブランド「EMODA」が参入を発表した。これまた実績豊富な株式会社Vと共同で、リアルクローズ路線ではなく「メタバースのEMODA」を開拓するべく、ユニークな一着を送り出している。BEAMSやドットエスティらがしのぎを削るこの領域も、新規参入により熱量が高まりそうだ。

 筆者が『VRChat』内で観測している限りでも、新規ユーザーとの遭遇率は上がっているし、周囲でも同様の声は上がっている。企業動向も含め、間違いなく「かつてないほど盛り上がっている」といえる『VRChat』だが、この勢いがどれほど続くかは予測がつかない。もし今後、スタンミ以外のストリーマーが動き出せば、「第二波」が来そうな予感だ。

マインドフルネスと動画鑑賞は生活に溶け込む――今週の『Vision Pro』生活

 筆者が『Apple Vision Pro』を自腹で購入して一週間以上経ったが、いまのところ無理なく生活に取り入れられている用途は「マインドフルネス」と「動画鑑賞」の2つだ。

 基本アプリのひとつ「マインドフルネス」は、おだやかなBGMと花が散るようなエフェクトが、指定した時間再生されるアプリだ。シンプルなつくりだが、余計なことを感じず、今に集中するマインドフルネス用途にはぴったりだ。そして、『Apple Vision Pro』の場合はイマーシブ環境を使い、自室の視覚的ノイズをシャットアウトできるのが良い。静かな夜の湖畔で瞑想にふける時間は、なかなかに心地よいものだ。

 動画鑑賞用途では、筆者はまずYouTube鑑賞の環境を模索した。現時点では公式アプリは未配信で、サードパーティアプリに頼らざるを得ないのが難点だ。現在は『Juno』という有料アプリを試しているが、存外使い勝手がよい。

 そして、イマーシブ環境を展開し、めいっぱいウィンドウを巨大化して動画を見るのがとても心地よい。こうした活用法は他社のVRヘッドセットでも代用できるが、やはり画質は『Apple Vision Pro』が一歩抜きん出ている。マイクロOLEDによって黒の発色がとてもよい点も追い風だ。

 なにより、『Apple Vision Pro』は「頭にかぶるだけ」で動かせるのがよい。VRヘッドセットの場合、コントローラー操作や、場合によってはキャリブレーション再設定も必要になる。『Apple Vision Pro』は周囲の照度が極端に低くなければ、かぶるだけで動作準備が整う。あとは、自分の指と視線で操作すればいい。このちがいによる運用上の心理的なハードルの低さは、VRデバイス好きな自分としても驚かされたところだ。

 近々、Amazon Prime Videoで配信中の『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を『Apple Vision Pro』で観ようかと考えている。OLEDに映る巨大な仮想スクリーンで、「この世で最も黒く、最も邪悪な絵」を拝んでみたいところだ。

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