ペッパーくんがクラブで“パリピ化”? 街中から新たな活躍の場へ広がる「意外な姿」に迫る

目指すは渋谷でしか楽しめない“唯一無二のエンタメスポット”

 こうしたなか、2023年12月より、ペッパーたちによる「シンクロダンス」の披露やDJプレイ、日本食を組み合わせた「CLUB THE PEPPER」を開始した。

 ロボットと人が一緒に踊れる“新感覚のクラブ”として、夜業態を始めた背景は何だったのか。

 塩田氏は「メインターゲットをインバウンド観光客に据え、『日本に来たら必ず行きたい』と思ってもらえるスポットを作る企画を考えた」と語る。

 「渋谷界隈には、美味しいご飯を食べられるお店はたくさんある一方で、夜に遊べるエンタメ性を伴ったスポットが案外なかったんです。もちろん、ナイトクラブはいくつもあるものの、それは海外にもあるため、『日本のここでしか楽しめない唯一無二のエンタメスポットができないか』という着想から、企画を考えていきました」

 企画を詰めていく段階では、“日本らしさ”を感じてもらうために、ラーメンや寿司といった飲食メニューを展開することが決まった。

 だが、昼のカフェ営業と同様に、ペッパーをただ接客させただけでは訴求力に欠けてしまう。

 そこで、コンテンツの先鋭化を図るために思いついたのが「ペッパーをステージで踊らせる」というアイデアだった。

 「ペッパーは、踊ることがもともと得意だったのに加えて、『シンクロダンス』という複数台のペッパーを同期させてダンスさせる機能がありました。

 CLUB THE PEPPERでは、20時30分と21時、21時30分という時間帯を指定することで、『時間になったら放っといても勝手に踊り出す』ことに挑戦した取り組みになっています」

 CLUB THE PEPPERを始めて以降、毎日20時30分になったらペッパーが踊り出すため、その光景を一目見ようと、Pepper PARLORの周辺を歩く人が写真を撮るようになったという。

 また、週末にはDJを呼び、クラブミュージックなどの音楽に合わせてペッパーたちが踊るという新感覚のエンタメが楽しめるようになった。

 こうして、口コミを中心にCLUB THE PEPPERの認知度が広がり、Pepper PARLORの集客効果に大きく寄与した。

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