ペッパーくんがクラブで“パリピ化”? 街中から新たな活躍の場へ広がる「意外な姿」に迫る
2014年6月5日に誕生した人型ロボット「Pepper(ペッパーくん)」(以下、ペッパー)は、人間の感情を読み取る世界初のコミュニケーションロボットとして一世を風靡。オフィスや飲食店、商業施設などさまざまな場所へ導入が進んだ。
その一方で、以前に比べると街中でペッパーを見かける機会は減少している。
かと思いきや、いまもなおペッパーは意外なところで活躍の場を広げている。
そのひとつが、東急プラザ渋谷5階にある「Pepper PARLOR」で、夜の別業態として開催されているのが「CLUB THE PEPPER」である。
ペッパーの利用シーンにおける変遷や、新たなエンタメ空間としてCLUB THE PEPPERを始めた背景について、ソフトバンクロボティクス株式会社 マーケティング本部の塩田結以氏に話を聞いた。
店頭だけが活躍の場じゃない 教育や介護の現場で躍動
ペッパーが誕生してから10年目を迎えるいま、どのようなシーンでペッパーが利用されているのだろうか。
「現在は、生成AIなどの最新の技術を取り入れながら進化を続けており、従前の店舗や商業施設での集客・接客業務以外にも、子供や学生向けのプログラミング教育や介護業界でペッパーが活用される機会が多くなりました。
実際の介護施設では、リハビリのサポートや、ラジオ体操や落語の披露といったレクリエーションの提供など、ロボットが利用者と人のサポート的な立ち位置で関わることで、『人と人の間では生まれないコミュニケーション』が促進され、スタッフの負担軽減につながっています」(塩田氏、以下同)
教育や介護とペッパーの親和性が高いのは、子供や高齢者を対象にしていることが大きい。
ロボットに対しての抵抗感を持たずに、ポジティブな印象でコミュニケーションを取ろうとしてくれるからこそ、ペッパーの「人を楽しませる会話」や「ユーモアな身振り・手振り」が最大限に活かされるのではないだろうか。
最近、街中でよく見かける掃除ロボットや配膳ロボットは、「人の労働をサポートする」のに対し、ペッパーは「人の心をサポートする」のが決定的な違いだと言える。
また、約2年前からイベントやシーズナルのプロモーションにて「短期間でペッパーを活用したい」という取引先の需要に合わせ、スポット利用のプランも展開するようになったことで、さらにPepperの活躍の場が広がっているという。
「ペッパーが人に代わってお客様の呼び込みやお店の紹介を行うなど、商業施設や家電量販店の年末商戦などに導入いただいています。ペッパーを集客パートナーとして起用することによって、今まではと違う角度で発信したい、プロモーションしたいというご相談をいただくことが多くなっていますね」