平成生まれの夢の部屋? 悶えるほど懐かしいモノで溢れた空間の主を直撃

平成生まれの夢の部屋? 平成こじらせ部屋とは

ルールは自分が懐かしいと思うかどうか

──コレクションのなかで思い入れのあるものはありますか?

平成こじらせ部屋:まずはこのハイパーヨーヨーの『ハイパーレイダー』ですね。渋谷の『リワインド』というヨーヨー専門店で購入したものなのですが、中村名人にサインをいただきました。一緒に写真も撮らせていただき、思い出の品です。

平成こじらせ部屋:あとは、僕が人生で初めて買った『週刊少年ジャンプ』ですね。93年に販売したもので、当時僕は5歳でした。『ドラゴンボール』のポスターがついていたのを鮮明に覚えていて、どうしてもこのポスターが欲しくて親に買ってもらった思い出があったんです。連載していた作品の記憶を頼りになんとか調べて、手に入れました。

──単に平成のものを集めているというよりは、ご自身の思い出に関連したものが多いのでしょうか?

平成こじらせ部屋:そうですね。集めるときも、貴重なものというよりは、自分が懐かしいと感じるかどうかを大事にしています。再現部屋もあくまで自分が小学生のときにあったものや、欲しかったなと思っていたものを置いているので、昭和のアイテムもあったりします。レトロブームで価格がかなり高騰しているものもあるのですが、僕の部屋にそこまで高いものはないですね。このペン立てもSNSですごく反響をいただいたのですが、これなんかはもはや自分の手作りです(笑)。

──紙粘土のペン立て、懐かしいです……!(笑) あくまで自分軸で懐かしいものを集めているのですね。

前向きに過去を振り返る

──最近はリバイバルブームが続き“平成レトロ”という言葉も生み出されたかと思いますが、改めて平成のよさについてどう感じていますか?

平成こじらせ部屋:平成というと、たとえばY2Kファッションや当時の高校生がしていた髪型、ルーズソックスなんかも印象にあると思うのですが、僕の場合はたまたま「懐かしいな」と感じるものを集めたら平成のものが多かった、という感覚なんですよね。

 最近流行になっている平成レトロ文化は、実際にその平成時代を生きていたわけではない若い世代の人たちにも愛されていますよね。僕はいまでこそ年代を定めてコレクションしていますが、そういう平成レトロとは少し意味合いが変わってくるのかもしれません。

──自身の“懐かしい”という感情が軸になっているということですが、懐かしむよさはどういった部分にあると感じていますか?

平成こじらせ部屋:やっぱり癒されるんですよね。地元に帰省して実家の部屋やよく見ていた景色を眺めたり、あのころよく聴いていた曲を聴いたりするとすごく癒されます。懐かしむ=癒しなんです。

 SNSで発信をしていると、懐かしむことに対して「過去に縛られてどうするんですか」とか「いまを生きろ」といういろんな意見が来たりします(笑)。でも僕は「あのころに帰りたい」と言っているわけではないんですよね。こんな部屋を作っておいて本当かよと思われるかもしれませんが(笑)。

平成こじらせ部屋:僕的には、前向きに過去を振り返っている感覚なんです。いままでの思い出があるからいまがあるというか、あのころからいまが地続きでつながっているんだなと感じます。いまを楽しみつつも、ひとつの趣味として“懐かしい”を楽しんでいますね。

──今後集めたいものや、チャレンジしたいことはありますか?

平成こじらせ部屋:もっといろんなジャンルの部屋を作ってみたくなりました。たとえば高校生の部屋や、平成女児の部屋など……。最初は自分の好きなジャンルをコレクションしていたのですが、調べていくうちに自分が通ってこなかったジャンルにもどんどん興味が湧いてきたんですよね。最終的には一軒家に引っ越して、“平成こじらせハウス”を作るのが目標です!

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