京大卒業も“就職しない” YouTuberが葛藤の末に選んだ進路に注目集まる

 コンビYouTuber・いだちゃんねるの動画が、2本連続で急上昇入りを果たした。動画が注目を浴びた理由は、メンバーのコバが京都大学を卒業後、就職しない選択をしたことにある。今回はコバの選択から見る、いだちゃんねるの魅力について見ていこう。

 いだちゃんねるは、京大生のコバとサイコの2人によるYouTubeチャンネルだ。動画では試験週間に密着した様子や、大学院の入試に落ちた瞬間を収めた動画など、大学生ならではの企画で人気を集めている。また単に高学歴というだけではなく、YouTuberらしいチャレンジングな企画や、2人のトーク力が掛け合わさり、“京大生”という要素以外の部分でも視聴者を魅了。登録者数は58.5万人という人気を誇っている。(2024年6月1日現在)

 そんな2人は、2024年春に大学を卒業。サイコは大学院に進んだが、コバは大学院入試に落ちてしまったことを2023年の1月に動画で明かしている。

大学院入試に落ちて人生設計狂った瞬間。

 その後、2023年10月。ふたたび大学院入試の機会はあったものの、コバは試験を受けないという選択をした。試験の日が近づくごとに「院に行くのが正解なのか」「いだちゃんねるは今しかできない」「大学院は30歳や52歳になっても受けようと思えば受けられる」という思いから、この選択に至ったと明かした。

人生を狂わされた大学院入試にリベンジ…

 そして2024年春。相方・サイコが大学院生活を過ごすかたわら、コバは就職しない選択をしたことを報告した。そんなコバが100の質問で現状について答えていく動画が、5月11日に急上昇1位を獲得した。

【質問100】京大を卒業してフリーターになった男。

 一般的に大学卒業後は、サイコのように大学院に進むか、就職する人がほとんどだろう。もしくはいだちゃんねるほどの登録者数があれば、YouTubeに全振りすると宣言してもいいような気がするが、「春からフリーターです」と報告するところがいだちゃんねるらしい。

 100の質問の動画ではYouTubeをいつまで続けるのかという質問に対して、コバは「楽しくなくなるまで」と回答。また、YouTubeを続ける理由についても「楽しいから。一点張り」と、YouTubeに関しては“楽しさ”だけが原動力になっているようだ。これには、大学院入試をしないと決断した際の理由にも通ずるものを感じる。“いまの楽しさ”、“この瞬間の充実”に人生の重きを置いているからこそ、京大卒で就職しないという選択をしたのだろう。

フリーターになったので心機一転、引っ越しました。

 2回目の急上昇入りを果たしたのが、そんなコバの新居紹介動画だ。現在は家賃12万5000円・3階建ての一軒家に住んでいる。約20万円の家電を紹介するなど充実した生活を送っているようだが、町内会にも入っていることを報告し、コバらしく就職しない生活を楽しんでいるようだ。撮影や編集など時間のすべてをYouTubeに捧げるクリエイターも珍しくないなか、いだちゃんねるは人生を楽しむなかのひとつにYouTubeがある、という感覚なのではないかと感じる。

 連続で急上昇入りを果たしたいいだちゃんねるだが、5月は3本のみと投稿本数はやや少なめ。このことについて概要欄では「いま、ある事で忙しくて」と説明している。100の質問の動画では今後の展望について「京都の街づくりをしていきたい」と答えていることから、動画制作とは別に何かしらの活動を進めている可能性も考えられる。“京大”という持ち味を卒業しつつある2人が、これから何を見せてくれるのか。ワクワクするような人生観を持つ2人の動画を楽しみにしたい。

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