ロジクール『ASTRO A50 X』徹底レビュー 驚異的な空間表現力で最高のゲーム・音楽体験を

ロジクール『ASTRO A50 X』徹底レビュー

 5月16日、ロジクールの最新ヘッドセット『ASTRO A50 X ゲーミングヘッドセット』(以下、『A50 X』)が発売された。「ASTRO」と言えば、様々なゲーミングデバイスで知られる「ロジクール G」の中でもプレミアムゲーミングブランドとして位置付けられているシリーズであり、本製品は同ブランドにおける最新のフラッグシップモデルであると言っても過言ではないだろう。

 今回、筆者は同製品を先行して体験する機会をいただいたので、本稿では『A50X』のゲーミングヘッドセットとしてのインプレッションはもちろん、音楽や映画・ドラマといった普段使いにおける使い心地なども含めてまとめていきたい。なお、本稿はあくまで本製品で初めて「ASTRO」シリーズのヘッドセットを体験した立場で書いた内容となるため、その点を留意して頂けると幸いだ。

PC、PS5、Xboxなど、自宅のゲーミングオーディオ環境を一箇所に集約する『A50 X』

 「ゲーミングヘッドセット」と聞くと、多くの場合はヘッドセット単体で機能する印象を抱く方が多いのではないかと思うのだが、その考え方のままで『A50 X』に手を伸ばそうとすると、もしかしたら戸惑いを覚えるかもしれない。

 というのも、『A50 X』は基本的に「ヘッドセット+ベースステーション」という組み合わせでの使用を前提としており、同梱されているベースステーションが、ヘッドセット本体と同じくらい重要な存在となっているからである。本製品はPCはもちろん、『PlayStation 5』『Xbox Series X|S』にも対応しているのだが、それ以外にも各種端子が個別に用意されているので、その気になれば全てのオーディオ環境をベースステーションに集約させることができるようになっている。

ベースステーションにPC、PlayStation、Xboxをすべて接続した際の背面

 というわけで、『A50 X』の初回セットアップも、基本的にはベースステーションを中心に進めていくことになる。PCの設定に関しては比較的シンプルで、「電源用のUSB端子+PC本体と接続用のUSB端子」を専用のケーブルを使ってベースステーションと接続すれば基本的には完結する。

 PlayStation 5とXbox Series X|Sに関しては少々手間がかかる仕様となっており、本体とベースステーションをUSB接続する点は共通しているのだが、別途、(恐らく通常はモニターやテレビと繋がっているであろう)HDMIケーブルを「ベースステーションを介して」接続する必要がある(ケーブルは同梱されていないので注意)。

 これは、本製品に搭載されたワイヤレス接続テクノロジーである「LIGHTSPEED」を使うために必要な手順となる。ちなみに、ベースステーションと『A50 X』との接続にはBluetooth接続やUSB接続を選択することもできるが、遅延や干渉、接続の品質などを踏まえると、本製品の真価を発揮できる推奨セットアップ(LIGHTSPEED)を選択した方が良いだろう。

 

 とはいえ、ケーブルが増える都合上、(特にゲーム機を接続しようとすると)ベースステーション周りがケーブルでごちゃごちゃしてくる印象は否めない。ゲーム機の配置に影響することを踏まえて、PC以外での利用を想定している場合は購入前にベースステーションの設置場所をあらかじめ検討しておくことを強くオススメする。

 一度セットアップが完了してしまえば、本製品の使い方はいたってシンプルである。基本的にはヘッドセットをベースステーションに置いて充電しておき、使用する際には取り外して着用し、ヘッドセットに付属しているボタンを押して接続先(PC・PS・Xbox)を切り替えれば、ペアリングを挟むことなく各環境にすぐに接続することができる。

 セットアップが大変なのは確かだが、一度完成してしまえば実際の使用までのフローはとてもスムーズで、ちょっと感心してしまうほどだ。まさに、本製品は自宅のゲーミングオーディオ環境の基盤となるのである。

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