『今日好き 卒業編2024 in セブ島』最終話ーー人気継続メンバー・きさきの旅の結末は?

『今日好き 卒業編2024 in セブ島』最終話

きさき、かつての大恋愛で流した涙「自分の気持ちにウソはつけませんでした」

 「きさきはこの後に「好きになれなかったらどうしようって怖くて」と、自身の気持ちが追いついていないことに泣いてしまう場面も。こうしたピュアな涙も、恋愛経験が少ない高校生だからこそ」(参考:『今日好き プーケット編』4話ーー安定カップルが揺らぎ始める……告白直前、涙するメンバーも

 遡ること、約1年半前。思えばあの頃から、きさき(寺島季咲)は泣いてばかりだった。

 冒頭に引用したのは、彼女が『今日好き』に初参加した旅の4話にて、筆者の所感を綴った記事の一部分である。

 その翌週の最終話でのこと。残念ながら、記事での紹介こそ割愛してしまったのだが、当時に想いを寄せられた相手から告白をされた場面。「長くなるし、上手く話せないかもしれないけれど、聞いてほしいです」と、きさきは初めての『今日好き』と、そこで好きに“なりかけた”人について振り返り始めた。

 「大好きって思える人と付き合いたいと思っていて、たくさん考えて、考えて、考えて。でも、今回の告白を受けることはできません。本当にごめんなさい」

 想いを寄せられた男子との共通点は、お互いに人生で一度も恋愛経験がないこと。とにかく積極的にアピールをされたが、だからこそ「それでも好きになれなかった自分がイヤで、あんなにたくさん言ってくれて、ドキドキしてうれしかったけど、大好きって思えなかったです」「自分の気持ちにウソはつけませんでした」と、大粒の涙をぼろっぼろに溢しながら語ってくれていた。

 過去4年間、『今日好き』の旅を(勝手ながらに)見守り続けているが、あれほど純粋で、無色透明な涙を流していたメンバーは、きさき以外のほかにはいない。「自分の気持ちにウソはつけませんでした」という言葉に、たった一文字も嘘がなかった。本当にそう思っている。

 筆者は当時こそ、当事者たちは高校生ながら、お互いに恋愛経験がないことで、逆に大恋愛になりすぎてしまったこと。もしかすると『今日好き』以外の場所で出会っていれば、幸せな未来が待っていたかもしれないこと。きさきと付き合える相手は、きっと長続きをさせたいと思うに違いないこと。延いては、2泊3日の間で恋のきっかけを見つけ、それを育むという『今日好き』のシステムの限界にすら想いを馳せてしまっていた。

 だが、どうだろう。あれから約1年半に及ぶ旅の末ーーきさきがついに、運命の相手と結ばれたのだ!

そうた、きさきの幸せを願う鳥に「きさきちゃんの全部がとても大好きです」

 きさきに告白したのは、そうた(米山颯太)、えいじ(吉田叡史)のふたり。ともに、前回の『卒業編2024 in プーケット』からの関係を持ち越してきたメンバーである。この後、きさき本人の口からも同じ言葉が出てくるが、彼女があれほど悩み、あれほど心を動かされてきた男子たちだ。たとえカップルとして付き合えずとも、彼らが素敵な人じゃないはずがない。

 まずは、そうたから告白。「きさきちゃんの目を見てニコニコ笑ってくれるところとか、周りのことを考えて気を遣えるところとか、いろんな髪型が似合うところとか。あとはツボが浅いところとか、きさきちゃんの全部がとても大好きです」「1カ月前の旅から、僕は絶対にきさきちゃんと成立するって決めて、この旅に参加しました! 僕が絶対に、きさきちゃんを幸せにする鳥になります!」。ラスト、羽ばたけるかーー。

 プレイバックすること、告白の直前。思い出のアルバム作りでのこと。えいじはきさきの隣で作業をしようとするも、“最後に話したいから”という理由で、彼女はそうたの隣を選んだ。思い出深い、お揃いのフラミンゴのぬいぐるみを撮影した写真もアルバムにぺたりと貼った。この旅を通して、そうたへの想いは膨らむ一方で、期待度も常に右肩上がりだった。先ほどの告白の言葉を受けて、そしてこれまでの旅の思い出を踏まえて「一緒にたくさん、楽しい時間を過ごせてすごいうれしかったです」と、きさきも答えた。

 それでも「真剣に考えたけど、そうたくんの気持ちに、答えることはできません」。カップル成立には、あと少しだけ届かなかった。

 「きっと、そうたくんだったから、こんなに悩んでたくさん心が動いたんだと思う。だから、私を好きになってくれて、本当にありがとう」

 これほどまっすぐ、かつキッパリと、そしてそうた本人も告白の言葉で伝えた通り、相手への思いやりを感じる言葉を投げかけられたら、それはもう、きさきの幸せを願うほかない。そうたはむしろ、最初からそうしようとしてきた。少しだけ……いや、少しじゃないかもしれないが、未来の形が、思っていたのと違っただけなのだ。

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