ストリーマーたちの間で大流行の『LoL』 きっかけとなった『The k4sen』の功績を振り返る
教えを受けた面々らと共に生み出した新風と熱気
初日に2チーム10人のプレイヤーを集めたk4senは、初心者である面々に対して『LoL』の基本的なプレイ・内容を説明した。用語・アイテムのなかでも必要最低限のものだけを教え、たまに挟む小ネタもFPSなどの他ゲームや全員が共通して知っているストリーマーらに伝わる言葉選びだ。解説中にも参加者をイジるネタを仕込み、参加者も視聴者も飽きずに聞ける、非常に伝わりやすい内容となっていた。
対戦日を迎えるまでの数日間において、ゲーム中に気をつけること、スキルの使い方やタイミングの目安など、ミクロな部分を熱心に教えていくコーチ役のk4senとうるか。
「勝てそうだったのに勝てなかったのはなぜか?」「このスキルはいつ・どのように使えばいいか?」など、初心者たちからさまざまに生まれてくる疑問を紐解いていく。
ときには軽く一言で、ときには数十分にわたって、『LoL』のイロハを教わって魅力を知った出場メンバーらは、大会後も休むことなく長時間に渡って配信しはじめることとなる。しかも、12月31日という1年を締めくくる日にも彼らは『LoL』をプレイした。以前から彼らのファンやリスナーだった者にとって、その光景は大きな衝撃だったであろう。
そんな熱狂を知った他のストリーマーやVTuberらも呼応しはじめると、2024年1月末にははやくも2度目となる初心者『The k4sen』が開催された。
こちらでも前回同様、初日に出場者らを集めてルールやアイテム、「レーンとはなにか?」「ドラゴン/バロンとはどういったものか?」といった基礎知識を教えつつ、リスナーを集めたカスタムマッチでは「初心者であっても160体以上いるチャンピオンのなかから“OPチャンプ(※)”を使えばどうなるのか?」という、ある種核心にふれるようなシーンが生まれ、こちらもまた盛り上がりを見せた。
(※OP:オーバーパワーの略。ゲームバランスのなかで頭一つ抜けて強いもののことを意味するゲーム用語。LoLではパッチによってチャンピオンの強さが変動するため、時期によってOPチャンプは入れ替わる)
さらに2月上旬には2度に渡って参加した初心者プレイヤーに加え、これまでの大会に出場していた面々や、以前に多少プレイしたことがある者たちが集まり、コーチ・選手合わせて総勢48人による大型企画として(k4senのプロフィールページによれば)第14回目となる『The k4sen』が開催された。
(参考:https://zetadivision.com/players/k4sen)
この規模感・出演者であれば、アリーナ会場を使って休日に開催してもおかしくないレベルだ。
しかし、48人のスケジュールをすべて照らし合わせつつ、アリーナレベルの会場を借りようとすれば、これほどのスピード感で開催することなど不可能だろう。“いま、この瞬間”に多彩なメンツを集めて開催すること。ストリーマーやVTuber、そしてリスナーを巻き込んだお祭り感を楽しむには、それがもっとも重要なのだ。
本番当日にはプロリーグで実況・解説を務めるキャスター陣も起用され、熱戦に次ぐ熱戦によって夜も深い時間まで大会は続いたのだった。