なぜゲームにラジコンや歌番組の応募券が? 今では考えられない“レトロゲームの付属品”たち

いまやゲーム雑誌も立派なゲームグッズに

 いまとなっては「ファミ通」のようなゲーム雑誌自体も、れっきとしたゲームグッズですよね。昔の「ファミ通」は、最近のものと比べて総ページ数が少ないし単色刷りのページばかりでしたが、表紙にも書いてある通り320円とお手ごろでした。

 この「ガバスシステム」のページとか懐かしいなぁ。誌面のコーナーにはがきを送って、採用されると「ガバス」がもらえて、それを集めると景品と交換してもらえるというアレ。

 水野店長(元副編集長)のサイン色紙が17ガバス……。いまとなってはメチャメチャ欲しい! あのころの僕、17ガバスくらいは余裕で持っていたと思うんですが。惜しいことをしたなぁ。

レトロゲーマー世代のバイブル、PCゲーム雑誌「ログイン」

 PCゲーム雑誌の「ログイン」も大好きで、家には50冊以上あります。けっこう分厚くて重い雑誌だからかさばるんですが、やっぱり場所を取るものが好きなんです。DVDやBDより、VHSのほうが集めがいあるのと同じで

 扱っているのがPCゲームですから、「ファミ通」とかと比べると大人向けの内容になっていて。当時、高価だったPCを小学生だった僕が買えるはずもなく、友だちのお兄ちゃんが持っているPCでゲームをやらせてもらったくらいなんですけど。そんな僕が読んでも笑える特集ページばかりです。「バカチン市国」とか、いい意味で真面目なページのほうが少ないくらい。

 僕のこの連載のタイトルも、「ログイン」の定例ページだった「ゲーム横丁三丁目」から勝手にパクらせていただいています(笑)。自分の笑いのツボだとか、ユーモアの原点は「ログイン」なんですって人、僕を含めていまだに多いんですよね。当時を生きたゲーマーたちにとってのバイブル的な存在だと思っています。

ここでしか聞けない音源満載、“付録のソノシート”

 そんな「ログイン」に負けず劣らず、「Beep」も斜め上のセンスを感じさせるゲーム雑誌でした。それに加えて、「Beep」は付録も豪華だったんですよ。なかでも、付録のソノシート(※1)は本当に名盤ばかりで。

※1……塩化ビニールなどで製造された薄手のレコード。大量生産に向いており、CD普及以前は音楽雑誌などの付録として広く使用されていた。

 たとえばこれなんかは、セガのゲームBGMのオリジナルリミックスが収録されています。『ハングオン』のアレンジとか、すごくカッコイイんです。ほかにも、ナムコさんの『ドラゴンスピリット』とか、『女神転生』のボス戦の曲が入っているものなどがありました。

 現在はこの付録のソノシート単体で、オークションで高くても3000円くらいで流通していたりするんですが、古本屋で売っている「Beep」は付録だけなくなっているパターンが大半なので、完品を探そうと思ったら苦労すると思いますね。

 何しろソノシートなので、ふつうのレコードと比べても音質は一段劣るレベルなんですが、これでしか聞けないリミックスばかりなので、興味がある方はぜひ探して聞いてみてほしいです。

コレクターの行き着く先は、フリーペーパーや“箸袋”

 ゲーム雑誌と似たようなジャンルで、昔のゲームセンターで配られていたフリーペーパーなんかは、いまでは貴重なものになってきていますよね。こちらは「NG」という、ナムコさんの直営ゲームセンター「プレイシティキャロット」に置いてあった冊子で、僕も集めているんです。

 「NG」の由来については自分でも結構調べてみたんですけど、どうやら“ナムコガイド”の略という説が有力のようです。詳しい方がいたら、ぜひとも教えてほしいんですが……。表紙のデザインも素敵だし、こうして見るとナムコさんって魅力的なキャラクターを生み出すことが本当にウマいなとあらためて感じます。

 そういえばナムコさんってその昔、ファミレス経営も手掛けていましたっけ。いまでも「ナンジャタウン」はありますけど、なんて名前だったかな……。当時のファミレスで使われていた箸袋とかが残っていたら、絶対欲しい(笑)。ゲームグッズを集めていると、最終的にこういうところに行き着いてしまうんですよね。

“ジャケ買い”して捨てられなかった「ポケモンふりかけ」の袋

 今回この場に持ってきたなかで、もっともレアさがないのがこれだと思います。なにかというと、「ポケモンふりかけ」が入っていた袋。もちろん中身はちゃんと食べて、空になった包装を洗ってからファイリングしています(笑)。

 アニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」が放送されていたころの商品ですが、この袋がメチャメチャかわいくて、食べ終わった後もゴミ箱に投入できなかったんですよ。

 言わずもがな子ども向けのふりかけなので、僕の年代的には「おとなのふりかけ」とかのほうが口に合うはずなんですけど、ついジャケットで選んじゃうんですよね。このあいだも、シャンプーの「メリット」が「ポケモン」とコラボしていたので、即ジャケ買いしちゃいました(笑)。いまも、そのピカチュウのボトルを中身だけ詰め替えて愛用しています。

 本当に、こういうのが捨てられないんですよね……。ガチャガチャの中の小さな説明書とか、『ロックマン』の体験会に行ったときの整理券とかもファイリングしてますし。あと、『JUDGE EYES:死神の遺言』に出演させてもらったときに、関係者の打ち上げパーティで配られた抽選券とか、お土産でいただいたお弁当の紙の帯なんかも全部保存してあります。

 リサイクルショップなどで、レアなゲームグッズが破格の値段で売られていたりしたのを見つけたときもブチ上がりますけど、こういったお金で買えないグッズたちも大切だなって思いますね。

“このゲームならでは”の攻めたグッズが欲しい!

 最近のゲームのグッズって、“攻めた商品”が少ない気がします。昔は“出せば売れる”いい時代だったってことかもしれないですけど。

 それにしても近ごろは、よく予約特典でPC用のオリジナル壁紙が付いてきたりするじゃないですか。あれって、みんな本当に欲しがっているのかなと。僕のような古いゲーマーは、デジタルの物を特典にされても困るんですよね……。せっかく自分で買うのなら、“そのゲームならでは”の商品が欲しいなあと思います。

 そういった意味で、最近おもしろいなと思ったのは――といっても4年くらい前の商品ですが、『ときめきメモリアル』の藤崎詩織ちゃんがデザインされた調味塩「詩織の塩」です。言ってしまえば単なるダジャレですけど、間違いなく攻めてる商品ではありますよね(笑)。たまたま今日(取材日は2月9日)がスーパーファミコン版『ときめきメモリアル』の誕生日だったこともあって、思い出しちゃいました。

 ともあれ、こうやって人様の商品に小言ばかり言っていると、いざ自分たちでライブをやるときのグッズも「もうちょいヒネれるんじゃないですか?」という話になってしまいそうなので、このくらいにしておこうかな(苦笑)。

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