UUUM代表・梅景匡之×取締役・鈴木司と振り返る“激動の2年” TOBによって「自分たちの新たな強みを発見できた」

 最大手のYouTubeクリエイター事務所・UUUM。トレンドの移り変わりが激しい動画市場で、ヒカキンやはじめしゃちょーらトップクリエイターを堅実に支えてきた。

 そんななか、UUUMは2023年8月10日、フリークアウト・ホールディングスと資本業務提携を結び、TOBにより同社グループの連結子会社に。業界に衝撃が走った。

 今回はここ数年のUUUMの状況やクリエイターのサポート体制、TOB後の変化など、UUUM代表取締役 社長執行役員・梅景匡之氏と、UUUM取締役兼フリークアウト・執行役員(インフルエンサーマーケティング担当)・鈴木司に、気になる話を聞いた。


“激動の2年”を振り返る 「自分たちが作ったものを壊すくらいの気持ちで」

――梅景さんは2022年3月より代表取締役社長に就任しました。以降、どのように会社を運営してきましたか?

梅景匡之

梅景匡之(以下、梅景):ここ数年はコロナ禍ということもあって、広告などの収益のいろんな指標が変わっていたり、「U-FES」などファンの方と触れ合うリアルなイベントが止まっていたりと変化を求められる時期でした。実際、事業モデルをどう変えていくかということの議論が、社内でも活発に行われていたんです。一旦事業の整理を行い、今後またコロナのような特別な状況になったときでもしっかりと事業が成長できるようなモデルを議論し始めて、実行に移し始めた時期かなと思います。

――決算資料なども拝見させていただきましたが、この2年くらいが激動というか。いままでやってきたものを変えた2年間でもあるのかなと、外から見ていて感じました。やはり体制変更を含めて変えられたところは多かったんでしょうか?

梅景:体制もそうですし、市場のなかでもいままで僕たちはYouTubeを中心にやってきましたが、TikTokやショート動画、NetflixやTVer含めて、エンタメの時間の使い方やお金をかける場所が変わってきました。そのため、自分たちが作ったものを一度壊すくらいの気持ちを持って、次の10年を戦っていくにはどうするべきかということを考えていた数年だったかなと思っています。

――鈴木様はフリークアウトHDのインフルエンサー事業担当執行役員でしたが、昨秋よりUUUM社の取締役に就任されました。改めてフリークアウトHDで担当されていた業務について聞かせてください。

鈴木司

鈴木司(以下、鈴木):フリークアウトは主にソフトウェアのプロダクトを作っている会社で、ソフトウェア開発や流通のための営業、事業開発などをしているのですが、そのなかで、僕は主に営業部長をやったり新規事業を担当したり、エンジニア以外のロールをほぼやってきました。フリークアウトのキャリアの後半は、民放公式テレビポータルサイトといったプロコンテンツのメディアマネタイズを支援するような業務を行っていましたね。

――肩書きとしてはインフルエンサー事業担当執行役員とのことですが、インフルエンサー事業というとどんな領域になるのでしょう?

鈴木:クリエイターエコノミーと言われるような、クリエイターとその経済活動を支援するビジネス、サービスというのは広告ビジネスやメディアにかなり近いものがあるので、僕の印象としては広告産業、メディア産業のサブグループにあるという感覚です。なので考え方としてもキャリアとしても、いままでの地続きだと感じています。現在はUUUMで事業全般を見ているという感じですね。

――2023年はお二人にとってどんな1年だったのでしょうか?

梅景:次の10年を作るための土台作りの1年だったと僕は思っています。先ほどコロナの話もしましたが、ちょうどコロナが明けてまた世の中の動き方が大きく変化して、社内での働き方もリモート中心だったものがまた出勤するように戻ったり、コロナ禍はロケの制限があったりとコンテンツにもいろんな制限がありましたが、それによってこれまでと異なる新しいコンテンツが生まれたりと大きな変化がありました。会社としてもTOBという大きな変化があるなかで、フリークアウトグループに入ることでしっかりとスタート地点に立ち戻れるような1年だったかなと思います。

鈴木:フリークアウトHDの方は、中期経営計画の最終年度が去年だったんです。なので掲げた目標を遂行するための実行期間でもあるし、次の5年、10年で我々はなにかをしないといけなくて、世の中がどう変わっていくのかということをすごく考えた1年でした。そこにUUUMさんとの協業の話もあったので、未来について考える年だったと思います。

 マクロ的に言うと、コロナの情勢も一段落して、これから始まっていく丸々1年がアフターコロナであることによって世界はどうなるか、ということがなんとなく肌感として掴めた1年でした。2024年やそれ以降こうなるだろうというのが見れたという感覚は、2023年の事業数値などを見ていても思いましたね。

――たしかにコロナ禍の真っ只中はいろんなものがオンラインになる前提で考えていましたが、2022年にハイブリッド化しつつあり、2023年はある種コロナ禍を抜けたような感じもあって、手探りをしなくてはいけない大変な1年であったと思います。

鈴木:YouTubeをとってみても、コロナがあってからYouTubeの視聴時間は伸びたと思いますし、そこにチャンスを見いだして芸能人を含む様々な属性の方が入ってきたりもして。それが一通り終わって、次のフォーメーションが固まったのが2023年だったという気がしています。

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