『最愛』などの劇伴を手がけた横山克が恋愛番組で体験した“新しい曲作り” ABEMA・横山祐果Pと語る
「劇伴がついていることにより、いろんなシーンが記憶に残る」
ーー今回の劇伴は、ドラマティックなことが前提というか、穏やかでフラットな曲がほぼないというのも特殊ですよね。
横山克:映画やドラマでは、なんでもない状態の音楽を作る場合もあるんですよ。そこをベースにしたステップアップがすごく大事なんですけど、この番組に関してはニュートラルをあえて作る必要はないかなと思って。感情のギアだけにフォーカスしました。
ーー劇伴があると、なんだかドラマを観ているような気分になってきます。
横山P:本当に、そう思います。主題歌だけでなく、劇伴がついていることにより、いろんなシーンが記憶に残るなって。またぜひお願いしたいです。
横山克:もともとぼくは脚本至上主義なんです。ドラマや映画の劇伴を作っているときは、常に脚本に立ち戻る……というのを繰り返していたのに、今回はそれがなかったから「なにを頼りに作ればいいんだろう?」と戸惑った部分もありました。でも、仕上がりを見たときにすごくしっくりきたんですよね。こういう作り方も面白いなぁって。恋愛リアリティショーには脚本こそありませんが、ドラマが確かにありますし。
ーー今後、同じような機会があったら、チャレンジしたいことを教えてください。
横山克:それこそ、先ほどお話ししたように、マレーシアの要素を入れるとかは次回のヒントになるかもしれないですよね。ロケ地がどこになるかは分からないけど、やってみようとなるかもしれないし。あとは、やっぱり現場に行くべきだなって。ぼく、映画やドラマのロケの見学に行ったりするんですよ。そうすると、いろいろなヒントを得られる。たとえば、助監督さんが朝日を撮るために午前2時から待機していたのに、使われたカットはたったの3秒だったとか。そういう生の現場に触れると、1つ1つのカットへの想い入れは本当に深くなりますよ。ぼくにとっては、それは全て作曲のヒントなんです。今回、新たなチャレンジをしてみて、これまで本当に色々なメディアに音楽を作って来ましたが、まだまだ経験したことのない世界はあり、この仕事は面白いと思っています。
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