2000本以上集めた『燃えろ!!プロ野球』からピクミン4まで MCUによる「2023年に遊んだゲーム」10選

年末年始は『天外魔境』シリーズや『ザナドゥ』で大忙し!?

 折り返し地点に到達したところで、番外編として僕が2023年末から来年に向けてやりたいゲームとしてストックしているタイトルを少しばかり紹介しておきます。

 まずは『天外魔境』シリーズ。PlayStation Portableで発売された『PC Engine Best Collection 天外魔境コレクション』(2008年7月31日)を最近ゲットしたので、これを機にあらためて遊ぼうと思っています。

 ちなみに、なかには『天外魔境 ZIRIA』『天外魔境II 卍MARU』『天外魔境 天風雲カブキ伝』『天外魔境 カブキ一刀涼談』が収録されているので、これだけで時間がいくらあっても足りない状態ですね。やりたいゲームが多すぎる……。

 それと『ザナドゥ』(X1版は1985年11月3日発売)です。今年の12月14日に待望の『EGGコンソール ザナドゥ PC-8801mkIISR』が発売され、Switchでも遊べるようになるとのことで、本当に楽しみにしていました。

 いまになってあらためて、PC-8801版のあのグラフィックの色合いを見せられてしまうと、我々世代としてはたまらないものがありますね。恥ずかしながら、PC-8801版は当時プレイしていないので、ほぼ初見のような気持ちで楽しめると思いますし。発売日からしばらくは、『ザナドゥ』漬けの日々が続くと思います(笑)。

便利になることで失われてしまったモノ

 最近は、昔のように腰を据えて大作ゲームを遊ぶような頻度も減ってしまった気がします。

 それこそ子どものころは、いまのように便利なセーブ機能が搭載されていないゲームも多かったので、途中まで進めて、ファミコンの電源をつけっぱなしのまま学校に行ったりもしていました。『仮面ライダー倶楽部』しかり、『高橋名人の冒険島』しかり。

 ただ、そうすると決まって学校から帰宅するころには電源が消されていて(笑)。たぶん、お袋が消していたんでしょうね。電気料金がもったいないからと。

 いまの時代は、便利な互換機や、Nintendo Switchのバーチャルコンソールで昔のゲームを遊ぶ方も多いでしょうから、好きなところでクイックセーブできたりして、それはそれで便利なんですけど……。不便だからこそ味わえたあの感覚は、どうしても失われてしまいますよね。

 昔のゲームを、HDMI接続による高解像度でプレイするというのも、やっぱり「ちょっと違うな」という気がして。映像がパキっとしすぎるというか、実機をブラウン管テレビにつないだときならではの“滲み”が恋しくなるんです。

 いちばんわかりやすいのは『ウィザードリィ』で、当時のドット絵デザイナーの方々は、ブラウン管の“滲み”までも計算に入れて描いていたんだなと、素人目ながらに感じ入るものがあります。

 前置きが長くなってしまいましたが(笑)、ここからは僕が2023年によく遊んだ……というか、いまでも遊び続けているレトロゲームについてお話ししたいと思います。

『ファミスタ』に真っ向から立ち向かったジャレコの意欲作

燃えろ!!プロ野球

 まずは僕が趣味で収集している――もとい、ファンのみなさんから絶えず“奉納”されてくる『燃えろ!!プロ野球(燃えプロ)』(1987年6月26日発売)。手元にあるロムカセット本数はゆうに2000本を超えていて、そこから先は数えるのを諦めてしまったので、正確な数はわかりません。

 野球ゲームの基礎を作った作品といえば、やはり『プロ野球ファミリースタジアム(ファミスタ)』(1986年12月10日発売)なわけで、当時は『ファミスタ』のスタイルを踏襲した野球ゲームがつぎつぎと発売されていました。

 そんななか、この『燃えプロ』は、まさかの“テレビ中継スタイル”を採用していたのが非常に画期的でした。つまり、投手後方の画角から打者を操作してスイングすることになるんですけど……僕としては、正直やりづらくてしかたなかった(笑)。

 当時の『ファミスタ』ブームのなかで、あの“テレビ中継スタイル”にGOサインを出した、発売元のジャレコさんのチャレンジ精神はスゴいと思います。さらに続編の『新・燃えろ!!プロ野球』(1989年7月13日発売)では、1塁側のアングルを採用していたりもして。ああいう勝負に出るジャレコさん、カッコイイなと。

ハル研究所謹製のレベルデザインに脱帽した『エアー・フォートレス』

エアー・フォートレス

 とくに深い理由はないのですが、個人的に2023年はシューティングゲームをやり直す年にしようと思って、年間通して何本かプレイしていました。

 そのなかでも、もっとも長く時間を費やしたのが『エアー・フォートレス』(1987年8月17日発売)。言わずと知れた、ハル研究所さんから発売された作品です。

 当時のゲームとしてはグラフィックがめちゃめちゃ綺麗で。内容としては、1面こそ“THE・男のシューティング”という雰囲気なのですが、2面では打って変わって『バラデューク』のようなアクションゲーム風になるのもおもしろいポイント。

 主人公がハル・ベイルマンという名前なんですけど、1面では宇宙船に乗っていたハルが、2面では船を降りて戦闘服で戦うというしかけで、その後の面でも、横スクロールシューティング面とアクション面を行き来することになるわけです。

 ステージギミックなんかも、さすがはハル研究所さんが作っているだけあって、ものすごくバランスがいいし、プレイヤーをいたずらに邪魔してやろうという“欲しがり”な感じがまったくしないんです。今年遊んだレトロシューティングゲームでは、間違いなくベスト・オブ・ベストですね。

ジャレコ再び、変形がキモの骨太シューティング

フォーメーションZ

 続いて、これはYouTubeチャンネル『KICK THE CAN CREW MCUの百獣チャンネル』の「MCUと志貫徹のファミコン心拳」という企画で遊んだタイトルなんですが、『フォーメーションZ』(ファミリーコンピュータ版は1985年4月4日発売)も触れておきたいです。

【MCUの百獣チャンネル】MCUと志貫徹のファミコン心拳 211回 フォーメーションZの巻

 こちらも『エアー・フォートレス』と同じく質実剛健なアクションシューティングゲームですが、自機が戦闘機形態とロボット形態に変形できるようになっていて、地上と空中を行き来可能なのが特徴です。

 もともとはアーケードゲームで、ファミコン版ではタイトル画面でこそBGMが流れているんですけど、ゲームをスタートした瞬間にSEのみになるという……まあ、昔のゲームでは“あるある”ですよね。

 ステージを進んでいくうちに下が海になって、そこは戦闘機になって飛ぶしかないけど、変形には時間制限があるからそこの管理もしなきゃならない。おもしろいことに全2面しかないゲームなんだけど、本当に難しくて、最近になってようやく1面をクリアできるようになってきました。

 よくよく調べてみたら、この『フォーメーションZ』も『燃えプロ』と同じくジャレコさんが発売元なんですよね。なぜか僕は、ジャレコさんにやられていることが多いみたいです(笑)。

 そういえば、ゲーム業界に長く携わっている方って、「ジャレコ」を(ナイトクラブの)「クラブ」と同じイントネーションで発音しがちじゃないですか? 僕らプレイヤーからすると、「ジャレコ」はサッカークラブのほうの「クラブ」の発音ですよね。CMでも、そうナレーションされていたと思いますし。

 業界関係者特有の「ジャレコ」発音問題、いつかその出どころを解き明かしてみたいですね。

最新ゲームハードでよみがえる、圧巻の世界観

暴れん坊天狗

 今年遊んだレトロシューティング関連で、最後にもう1作品、『暴れん坊天狗』(1990年12月14日発売)の話もさせてください。これは本当にバカゲーだし、難易度もぶっ飛んで高い(笑)。

 なぜかプレイヤーキャラが、天狗のお面で。ゲームを始めると、ニューヨークのビル街を天狗が破壊しながら進んでいくという……。とにかくもう、世界観がスゴいんですよ。あと、曲がめちゃくちゃいい(笑)。

 実機だと「どうやったらクリアできるの?」ってくらいの難易度だったんですけど、Switch版なら巻き戻し機能があるので、それも使って進めてみると「あれ? こんなにおもしろかったっけな」と新鮮な気持ちで遊べました。

 冒頭では便利になったがゆえの弊害みたいなことも言いましたけど、ここに関しては感謝しかなかったです(笑)。

 また、Switch版では、『暴れん坊天狗』の北米版である『ZOMBIE NATION』もセットで遊べるようになっています。北米版では主人公が天狗の面ではなく、謎のおじさんの生首(侍の大将ナマクビ)に変わっていたりもするので、そちらもぜひ遊んでみてほしいですね。

「俺、何やってんだろう」……でも、なぜかやめられない

ザ・シムズ

 最後に紹介する『ザ・シムズ』(PS2版は2004年1月22日発売)は、今年に限った話ではなくて、僕が思い出すたびに定期的に遊んでいるゲームです。『ザ・シムズ』のためなら、わざわざPS2を引っ張り出してテレビにケーブルをつなぐという面倒な作業も、まったく苦ではなくなるくらい大好き(笑)。

 ジャンルとしては“人生シミュレーション”とでも言うのでしょうか? プレイヤーのキャラには「体力」「空腹」「心地よさ」といったさまざまなパラメーターがあって、食事を摂らせたり、トイレに行かせたり、毎日仕事もいかなきゃならないし、たまにパーティーを開いて友人とも仲良くしなきゃならないし……と、プレイヤーが指示を送ることで、ゲームのなかで人生を送っていくわけです。

 それが本当にめちゃくちゃおもしろくて、僕は最高で18時間くらいぶっ続けでプレイしたこともあったんですが、たまにふと我に返るんですよね。「俺、なにやってんだろう」って(笑)。ストーリー展開どころか、ストーリー自体が存在しないゲームなのに、なぜかプレイする手が止められないんですよ。

 毎回やるたびに新規キャラで始めてはいるんですが、やることはそう大きくは変わらないじゃないですか。なのにやってしまう。スマホアプリ版も買ったので、たまに移動中にもやっていますからね。妻もハマって、一時期は作中の住人たちのセリフのモノマネでお互いに会話していたこともありました(笑)。

 僕にとっての『ザ・シムズ』のように、みなさんのなかにも、「なにやってんだろう」と思いつつも気付いたら遊んでしまうようなゲームが、何かしらあったりするんじゃないでしょうか?

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