『今日好き 九龍編』4話ーー男子から宣言「気になる人じゃなくて好きな人になりました」

『今日好き 九龍編』4話

ひいろ&のりか、ゆずきを挟んで“女子会” 気まずい構図にゆずきの反応は?

 すでに周知の通り『九龍編』は特別に3泊4日の旅に。通常の『今日好き』と比べて、若干ながら時間的余裕もあることで、参加メンバーたちも“あと2日ある”という意識を共有しているのかもしれない。が、視聴者サイドから客観的に見ると、“あと1泊あるのがなによりもの救いだ”と思ってしまうくらい、各々の恋がいわゆる“クロージング”に向かわない状況が続いている。

 前回の『台北編』は、旅がある程度進んだ段階で、誰が誰に告白するのかが見えてきていた。一方の『九龍編』では、2日目夜を迎えてもなお、霧のなかを彷徨っているような感覚にさせられる。後述する通り、スタジオの“恋愛見届け人”たちからも「めちゃくちゃだよ」とツッコミが入った今回の4話。これは逆に、ひと組もカップルが成立せずに終わるのでは? 筆者自身は、そう予想する域に入ってしまっている。

 というのも、グループ行動の“展望台組”で、なんとも悲しい光景が。ここでは飲茶を楽しんだのだが、その際の席順は左から、ひいろ(鈴木日彩)、ゆずき(松田謙希)、のりか(千葉紀佳)。のりかはこの直前、ひいろを追いかけるゆずきに実質的にフラれているが、ひいろ自身はゆずきではなく、別グループ=離島組のたかと(矢口昂歩)に対する意識が強いのはご存知の通り。全員の歯車が上手く噛み合わず、その結果として、ゆずきを間に挟みながら、両サイドふたりでの“女子会”となってしまった。

 ひいろが、別行動中のたかとがなにをしているのかと想いを馳せると、のりかから、ひいろにとってライバルのはる(矢口桜咲)と一緒にいるのは間違いないと推理が。ひいろが続けて、お揃いのキーホルダーなんて買っていそうだと想像すると、女子会が一気にヒートアップ。ひいろの何気ない発言ひとつひとつが、ゆずきのHPを、まるで小さなシャベルを当てるかのように、静かに、そしてゆっくりと削っていく(ちなみに、お揃いのキーホルダーを購入する予想は見事に的中していた)。

 ここまで全3話をかけて追いかけてきたとおり、のりかは『九龍編』でいちばんの優しい女子。ただ、のりかもそんな意図はまったくないだろうし、あくまで筆者独自の考えではあると念押ししての発言だが、彼女にとってゆずきは自分を振った相手。悪い言い方をすれば、手厚くもてなす義理も、なんならもう興味がなくたって不思議ではない(もちろん、のりかはそんな子じゃないと信じている)。

 たったひとつ確かなことがあるとするのならば、女子の友情、強し。ひいろとのりかはこのグループ行動を早々と終えて、いますぐに自身の“最も”気になる相手との時間を過ごしたいという点で、強固な繋がりをもった仲間である。間にぽつんと座るゆずきのサイズ感が、徐々に小さく見えてきてしまう。もちろん、当人たちにその意図はまったくないわけだが、実際の高校生活でもありそうな、男子の感じる“どうしてよいかわからない時間”が上手く描かれているように思えてしまった。

 ひとつだけ予想外だったのは、ひいろ自身はまだ、ゆずきの気持ちを退ける気はないということ。この後、彼から誘われた2ショットで「気になる人じゃなくて、好きな人になりました」と宣言されたことや、3話で登った展望台にて、自身が高所恐怖症であることから、ゆずきが手を握って安心させてくれたことにも好反応を示していた。もしかすると、彼の立場だけを考えたら、この恋愛バトルを長期戦にせず、素直に2泊3日だけで終わった方が、ひいろの気持ちをぐっと引き寄せられていたかもしれない。このあたりのペース配分も、また難しいところである。

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