広瀬香美VRライブなどユニークな展示は要チェック 『Vket 2023 Winter』企業会場レポート

魔法の杖を手に歩く「パラリアルロンドン」

 企業出展会場「パラリアルロンドン」は、ロンドンの代名詞である地下鉄ホームからスタートする。とはいえ、地下鉄に乗って移動するわけではない。会場への入口は「魔法のゲート」だ。

 テーマは「魔法都市」。入口で手に入る杖を片手に、様々な魔法ギミックを動かしながら会場をめぐることができる。さながら気分は「ハリー・ポッター」だろうか。

 宮殿から時計塔までをゆく順路は比較的シンプルで、道幅も大きいため迷うことは少ないだろう。敷地も広大で、その分展示ブースも派手で大きなものが多い印象だ。

 ユニバーサルエンターテインメントは天守閣つきの城を建造していた。『バジリスク~甲賀忍法帖~』をモチーフに掲げたこのブースでは、現実の遊技機を模したゲームが楽しめる。

 ユーザーの注目が特に大きいのはシャープだろうか。軽量・小型の新型VRヘッドセットを引っ提げて、今回が初出展となる。

 デバイスの3Dモデル展示もさることながら、「桔梗」「あのん」「碼希」「マヌカ」と人気アバター4体を用いた「ユースケース展示」は興味深い。アニメーションつきで動く使用用途は、「VRゲーム」や「映像鑑賞」はもちろん、「仕事」から果ては「寝そべってもOK」と、ユーザー需要を理解している印象だ。

 また「アフロ完全対応」なる文言も含めて、全体的にノリノリである。HIKKY広報担当の育良氏によれば、「バーチャルマーケットならばはっちゃけられる」と語る企業担当者も多いのだとか。ユーザーだけでなく、企業側にとっても、新たな体験が得られ、挑戦しやすい場なのだろう。

 Robot Consultingは「バーチャル裁判所」を開いた。「勝訴」の紙を掲げる“勝訴ダッシュ”の体験ができるほか、音声対話ができる「ロボット弁護士」が最大の目玉だ。

 こちらの発話を認識し、(多少のラグはあるが)流暢な日本語で応答する「ロボット弁護士」は、「メタバースにおけるAI活用」の最もわかりやすい活用例として体験しておくとよいだろう。なお、対応できるのは「メタバース上の法律」に関する簡潔な相談までなので、そこは注意が必要だ。実際の法律相談に関しては弁護士を始めとする有資格者へ問い合わせよう。

 ギミックが作動する箇所はなかなか多く、広範囲に広がっているので同ワールドの体験では自然と杖を片手にロンドンの街を歩き回ることになるだろう。全てのギミックを動かせば最後になにかが待つかもしれない……ので、くまなく探索してみるのがオススメだ。

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