子どもにもわかりやすいテクノロジー×演出の見せ方とは? 株式会社stu・杉野裕則氏に聞く
――ある意味で、制限があったからこそ生まれた仕掛けというわけですね。イベントは7月28日から行われていましたが、印象的な反応はありましたか?
杉野:これは“開発者あるある”なのですが、あの部屋に一日中いて絵を見ながら調整しているので、段々と自分が今作っているものが本当に面白いのかどうかが分からなくなってしまうんです。
でも、実際にお客さんが入って楽しんでくれているのを見ると、「いい感じにできているんだな」と再確認ができて安心しました。それから、今回の企画は夏休み期間にまたがったこともあって、休日は30分待ちになることもありました。親子連れを中心にたくさんの方に来ていただいたので、ご好評いただけたのかなと感じられましたね。
――今回の展示を経て、『GINZA 456』という場所の中でいろんなお題でイベントをおこなうことも増えるのかなと思います。今後やりたいことなどがあれば教えてください。
杉野:やりたいと思っていることはいろいろとあるんですよね。ほとんどの方がなにも知らない状態で入ってくるので、直感的に楽しめるものを作りたいなと思います。
ーーこうしてお話を聞いていると、杉野さんはやはりエンタメにくわえて「知育的なおもしろさ」にも強く興味・関心があるのかなと感じます。1人のクリエイターとしてやりたいこと、構想していらっしゃることがなにかあればぜひ教えてください。
杉野:そうですね。僕自身としてはやはり空間演出のエンタメと、知育や子供に向けたコンテンツが得意です。
今回チャレンジしたARとプロジェクションはもう少し連携させたいなとは思っています。たとえばARで触ったらプロジェクションに反応があるとか、反対にプロジェクションの方で触ったらエフェクトが出て、それがARの方だと立体で見えるとか、そういった連動するコンテンツができればいいなと。
あとは、今回の展示ではこちらから観覧用の端末をお渡ししていますが、アプリやWEBベースのアプリを使って、お客さんが自分で持っているスマホを使って体験できれば、もっと使いやすいでしょうし、タッチセンサーを置かなくていいので設営のハードルも下がるんです。今回の経験も活かしつつ、どこでも使えるようなものにしていきたいと思っています。