『フリースタイル日本統一』#9ーーベテランMCの“ユーモア溢れる”ラップに魅せられる
『高校生RAP選手権』スターラッパーが勢揃い!
【#9】では、1回戦(壱万石の戦い)にて、TEAM大阪(ミメイ×POWER WAVE×歩歩)とTEAM京都(REDWING×Fuma no KTR×TERU)が激突。それぞれTEAM大阪には、頭脳派のミメイ、今大会唯一のレゲエDeejayであるPOWER WAVE、そして彼らをまとめるようで最も暴れ散らかす奇想天外な歩歩と、三者三様な才能が集結。対するTEAM京都は世代こそ違えど、まだ10代であるREDWINGの第17回大会での優勝を筆頭に、全員がかつて『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』で好成績を残している若手実力者たち。バトル前からすでに好勝負が期待されていた。
実際に、REDWINGがミメイ、POWER WAVEを2枚抜きする好発進を見せながら、勝負は最終第5戦目までもつれ込む展開に。そのなかより本稿では、REDWINGに焦点を絞り、第2戦のPOWER WAVE、第3戦の歩歩とのバトルについて振り返りたい。
REDWING、ラガフロウでPOWER WAVEに応戦
POWER WAVEとのバトルで選ばれたビートは、ゆの「BPM92」。因縁の“赤髪対決”だが、すでに味方のミメイが一敗を喫したことから、闘志に火がついていたのだろう、先攻のPOWER WAVE。序盤からのバイブスの圧で相手を圧倒するかのように一時は思えたが、ここで先にフロウ勝負を仕掛けたのは、後攻を選んだREDWINGの方。
ミメイとのバトル中、REDWINGがかつてPOWER WAVEに勝利しているとも明かされていたが、戦い方を熟知しているのか。POWER WAVEの1stバース以上に、リズムを細かに割ったフロウで、通常であればライムの落としどころになりそうな、ベースの音が抜かれる小節末の部分にも、気持ちよく、かつ所狭しと言葉をハメていく。現に、ここが勝敗を分ける大きなポイントとなったようだった。
POWER WAVE:コイツのヤバさ 分かりかねる へし折ってやるぜ 赤い羽根
REDWING:当たり前 その乗り方だけじゃくだらねぇから また俺が上に上がってるだけだね
POWER WAVE:勢い任せと言うなら 今からそんなスタイルを見せよう お前じゃ出来ないこんなフロウ 今から上げてくとこ乗っかれよ Con shotta ta ta Mi seh Gon shotta ta ta 今ブチ抜くユイツにラタタタタ
REDWING:はいはい タタタタタタ 頭の中 馬鹿だな Mother【コンプラ】興味ねぇんだ 頭のな
前述のベース音が抜かれたのは〈くだらねぇから また俺が上に上がってるだけだね〉の部分。その後、POWER WAVEも持ち前のハスキーボイスを活かしながら、自身で歌っていた通り、LowからHighにテンションを揺さぶるフロウで応戦するも、REDWINGが押し負けず、結果はREDWINGが5-0での勝利となった。