新作発売の「ドラクエモンスターズ」 第1作『テリーのワンダーランド』成功の理由を振り返る
2023年12月1日、Nintendo Switchで『ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅』が発売される。
本作は、「ドラゴンクエスト」シリーズに登場するさまざまなモンスターを仲間にして冒険するRPG。ナンバリングタイトルとしては22年振りの新作となる(ただし、間に「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」シリーズが展開されている)。
そもそも本シリーズは、1998年9月25日にゲームボーイで発売された『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』から端を発する、25年の歴史を持つ一大シリーズといえるわけだ。
そのような状況になると、もはや当時のことも忘れ去られているかもしれない。ナンバリングの新作が登場するいまこそ、このシリーズの第一作が何を成したのか振り返ってみよう。
ポケモンフォロワーが大量に現れた時代
当時を知らない世代からすると意外かもしれないが、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』(以下、『DQM』)は、「ポケットモンスター」のフォロワーとして認識されていた。
1996年に発売された『ポケットモンスター 赤・緑』は絶大な人気を誇り、ゲームのみならずアニメやグッズで多くの人を魅了した。となると当然、二匹目のドジョウを狙おうとするゲーム開発会社がたくさん現れる。
ロボットをカスタマイズして戦う「メダロット」シリーズ、マイメロディをはじめとするサンリオのキャラクターが登場する『サンリオタイムネット』、コーエー(現:コーエーテクモゲームス)が手掛けた『もんすたあ★レース』など、キャラクターや方向性を変えつつも、「一作品でバージョン違いを展開する」だとか、「モンスターを収集する」といった要素を真似していたわけである。
「モンスターハンター」シリーズが人気になったあとフォロワーが大量に現れたように、あるいは現代のインディーゲームでもローグライトやデッキ構築型カードゲームがたくさん出ているように、人気者は常に模倣されるわけだ。
さて、そんなポケモンフォロワーがたくさん存在していた当時だが、そのなかでも『DQM』はかなり目立っていたゲームであった。理由はいろいろと考えられるものの、「ドラゴンクエスト」シリーズの人気があったことはもちろん、同シリーズが置かれた状況にも関係があったように考えられる。