『LoL』ユニバースの入り口にも最適 少年とイエティの心温まる謎解きアクションADV『ヌヌの唄』レビュー

『LoL』ユニバースの入り口にも最適な『ヌヌの唄』レビュー

 極寒の地フレヨルドを舞台に、少年とイエティの心温まる友情を描いた謎解きアドベンチャー『ヌヌの唄:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー(以下、ヌヌの唄)』が、2023年11月2日にNintendo SwitchとPC向けに発売される。

 本作は、オンラインゲーム『League of Legends(以下、LoL)』のスピンオフ作品だ。LoLを開発するRiot Gamesはここ数年『ルインドキング』や『メイジシーカー』といったLoLの世界観をテーマとするゲームを相次いでリリースしており、この「ヌヌの唄」もそのうちのひとつ。今回は、チャンピオンの「ヌヌ&ウィルンプ」にフォーカスした物語だ。

ふたりでひとつ | ヌヌの唄:リーグ・オブ・レジェンド ストーリー テーマ曲

 これまでも公式サイトではLoLユニバースを描いたノベルやコミックを読むことができたが、こうやってゲームとして世界観を体験できるようになるのはファンにとっても非常にうれしいことだろう。

 また本作では、普段LoLでは見下ろし視点でしか見られないヌヌ&ウィルンプが、3Dアクションで動いたり踊ったりしている姿にも注目してほしい。冒険を楽しむふたりの姿はとても可愛らしく、サモナーズリフトでの彼らの大雪玉にうんざりしている人たちも十分楽しめるはずだ。

 加えて本作は、親子の絆や深い友情といった入りやすいテーマの上でLoLユニバースの物語が語られる。そのためこれからLoLの物語を体験したいというプレイヤーや、初めてLoLを知ったという人たちにとって、LoLユニバースの入り口として最適な一本となっているように感じた。

 なお、今回はSteam版の先行体験コードを頂いた。本稿では本作の魅力を紹介していこう。

母親の言葉を信じて、雪山の奥地へと足を踏み入れる

 本作の主人公は、ノタイ族の少年「ヌヌ」と雪山に住むイエティ「ウィルンプ」のなかよし二人組だ。LoLでもおなじみのふたりはとても仲が良く、冒険の最中でも雪合戦をしたり競争をはじめたりと、まるで古くからの友達のようだ。

 そんな彼らだが、吹雪が吹き荒れる過酷なフレヨルドで冒険をしているのには理由がある。それは、離れ離れになったヌヌの母親・レイカを探すためだ。本来ノタイ族はキャラバンとして移動しながら生活をしており、かつてヌヌもその一員だった。しかし、あるときキャラバンは山賊に襲われ、ヌヌはレイカと散り散りになってしまう。親子が離れ離れになる中、あるときヌヌは夢の中でレイカから「青氷の心」を探すように告げられる。

 ヌヌは母親と再会するため、相棒のウィルンプとともに青氷の心を探して凍てつくフレヨルドの山地へ挑んでいく。

夢の中で母親と話すヌヌ。奥に佇む謎の人物は一体……
夢の中で母親と話すヌヌ。奥に佇む謎の人物は一体……

不思議な笛「スヴェルソンガー」を使い、フレヨルドの自然へと挑む

 続いて、本作のゲームプレイについて紹介していこう。

 突然だが筆者は、最初に本作のタイトルを聞いた際に「唄?」と首を傾げてしまった。というのも、普段ミッドレーナーである筆者はヌヌ&ウィルンプを使う機会がなく、彼らに対して音楽のイメージがなかったからだ(どちらかというと彼らの大雪玉に苦しめられた印象の方が強い)。

 この「唄」というのは、ヌヌが持つあるアイテムが関係している。それは不思議な笛「スヴェルソンガー」だ。

 本作はスヴェルソンガーを使った謎解きが数多く登場する。雪山や遺跡にはノタイ族の使う音符が記されており、スヴェルソンガーで音楽を奏でることでギミックを起動していく。とはいっても奏でられる音は基本的に4音のみで、音符自体も画面に表示される。そのため、1音ずつしっかりと奏でていけばそう難しくはないはずだ。

 もちろん、ヌヌの奏でる音楽だけでこのフレヨルドの道を進んでいくことはできない。人の手が届かない雪山は、そびえ立つ崖や行く手を阻むブラストコーンの蔦、はたまたお腹を空かせたアイスウルフの群れなどさまざまな障壁が立ちふさがる。そんなときには、4本の腕を持つウィルンプが頼りになるだろう。

 本作では主にヌヌを操作していくが、場所によっては、ウィルンプの上に乗ったLoLでもおなじみのスタイルで雪山を進んでいくこともある。ヌヌでは登れない高い壁をよじ登ったり、魔法を使って川を凍らせたりと、冒険においてヌヌができないことをウィルンプが手助けしてくれる。

ヌヌの笛の音に合わせて、ウィルンプが謎解きを手伝う一幕も
ヌヌの笛の音に合わせて、ウィルンプが謎解きを手伝う一幕も

 また、アイスウルフなどに襲われた際はウィルンプの腕っぷしの強さが発揮される。弱攻撃と強攻撃の2種類を組み合わせたコンボアクションや、ヌヌの投げる雪玉で敵を凍らせるなど、ハイテンポなバトルが楽しめた。謎解きのゆっくりとした時間と対を成しており、ゲームを飽きさせない緩急のあるプレイにつながっているように感じられた。

倒れた敵にとどめを刺すフィニッシュアニメは一見の価値あり
倒れた敵にとどめを刺すフィニッシュアニメは一見の価値あり

 ヌヌがスヴェルソンガーを使って音楽を奏で、ウィルンプは大きな体を駆使し、ヌヌを連れて雪山を越えていく。そうやってヌヌとウィルンプは、お互いに協力しながらフレヨルドの奥地へと足を踏み入れることになる。

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