韓国出身ストリーマーがSPYGEAとの出会いから日本語配信→移住を決断した理由 Killin9Hitが抱く感謝の思い「みなさんに恩返ししたい」

Killin9Hitが日本移住を決断した理由

 ライブ配信サービス『Twitch』は、近年のゲーム配信需要の高まりとともに、日本でも大きな成長を遂げてきた。9月21日から24日まで開催された『東京ゲームショウ2023』では、Twitchもブースを展開。さまざまなストリーマーがブースを訪れ、多くのファンがその様子を見守っていた。リアルサウンドテックでは、Twitchで人気を集める韓国出身のストリーマー・Killin9Hitにインタビュー。日本語で配信し始めたきっかけや日本移住を決めた理由、配信活動でのエピソードなどについて聞いた。(片村光博)

SPYGEAとの偶然のマッチングが日本語配信のきっかけに

――いまでは日本語での配信が当たり前のKillin9Hitさんですが、韓国在住時に日本語配信を始めたきっかけを教えてください。

Killin9Hit(以下、KH):当時、韓国ですでに8年ぐらい配信していました。ある日、『Overwatch』というゲームの配信をしているときに、元チームメイトのSPYGEAさんと偶然マッチングしたんです。そのときにSPYGEAさんの配信を見に行ってみたら、日本の皆さんのコメントがめっちゃ温かくて。すごく感動して、「日本に行きたい」と思ったんです。

――SPYGEAさんの配信のコメントは、普段の韓国でのコメントとどう違ったのでしょうか。

KH:韓国では1人か2人で一気にコメントしたり、もうちょっと気を付けてコメントしてほしいと思うことがあったり、少しストレートすぎる言い方をする方が多かった印象です。ネット上だから、軽い気持ちでコメントしてしまうのかも。ただ、それはどの国でも同じですけどね。SPYGEAさんのTwitch配信では、ネット上のマナーの良さや温かさが印象的で、「早く日本で配信したいな」と。あのころは日本語も全然しゃべれなかったんですけど、それでも日本語で配信したいと思いました。

――とはいえ、日本語配信やその後の日本移住にあたっては、いろいろなハードルもあったと思います。

KH:韓国では、別の動画配信プラットフォームで同時接続が1500人くらいでした。そのなかで日本語配信に変えて、まずは活動の場をTwitchに変更して……ゼロからのスタートになりました。でも、日本のみなさんはコメント欄でもすごく温かくて、びっくりするほど優しくて、言語や環境の問題も、全然怖くなかったですね。

――日本に移住される前から、日本語を勉強する配信もやっていますよね。そのなかでの視聴者の方々とのやりとりは、やはり心に残りますか?

KH:すごく心に残っています。最近では『漢字でGo!』というゲームもやっていますが、めちゃめちゃ楽しくプレイしています。

――KHさんも視聴者の方々も楽しみながら、日本語の勉強にもなるんですね。

KH:30歳を過ぎてから、もっと心の中の話をしたいなと感じているんです。人の心はすごくセンシティブで、いまの自分の気持ちが具体的にどういうもので、みなさんに対してどんな気持ちを抱いているのか、そういうことを伝えたい。そのために日本語をもっともっと頑張って勉強したい。それがモチベーションですね。配信を見てくれるみなさんに恩返ししたい気持ちが強いです。

――そんな思いを伝えるための移住でもあったと思いますが、新型コロナのまん延など、タイミング的に難しいところもあったなか、決断の決め手となったことを教えてください。

KH:ファンの方から「日本で会いたい」と言ってくださったこと。これがターニングポイントでした。顔も国籍も違うし、好きなものも違う。なのに、みなさんが「会いたい」と言ってくださる。「これは行かないと」と思いました。

――実際の日本での生活をあらためて振り返ると、いかがですか?

KH:意外かもしれませんが、日本に住むことへの違和感はなかったんです。むしろ韓国で配信していたときは、あまり外に出ていなくて、配信も日本に向けてやっていましたから、韓国の方々との縁が薄くなっていました。日本に移住してみたら、「ここが真のホームグラウンドだ」と感じるようになりました。心が温かくなるし、協力してくれる方もたくさんいらっしゃるし、Twitchのモデレーターの方もすごく力になってくれる。心強いですね。

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