面倒な作業もパズルゲーム感覚で楽しめる クリエイター御用達の左手デバイス『Tourbox Elite』がクセになる
「左手デバイス」とは、左手で使うことを想定された、ボタンやダイヤルを備えるハードウェアのこと。特にペンタブレットを使うクリエイターが右手に持ったペンを握り変えずに左手で様々な操作を実行するために使用されることが多い。昔はUSBゲームコントローラーにドライバを入れ、特定のキーやショートカットを割り当てていたユーザも多かったが、現在はこうした用途に最適化された専用のハードウェアがあり、今回紹介する「TourBoxシリーズ」もその1つだ。
左手デバイスを導入する利点は大きく分けて二つあり、一つはボタンを押すだけでキーボードショートカットを実行したり、ワンボタンでマクロを実行したりといった「設定した機能をワンタッチで実行できる」という点。もう一つは「ホイールの回転によって、マウスではできない微微細な調整を行える」という点だ。DTMに明るいユーザにわかりやすい例えとしては「MIDIコントローラー」に近い。無くても諸々の作業はできるけど、こうしたコントローラがあるとないとでは作業効率は大違いだ。そんな左手デバイスの決定版と言えるのが、今回レビューする『TourBox』である。
曲線の多いかわいい造形、手馴染みもGood 左手デバイス『Tourbox Elite』
TourboxはTourBox Tech社の左手デバイスで、現在はスタンダードモデルの『TourBox NEO』と、ハイグレードモデルの『Tourbox Elite』が展開されている。今回紹介するのは”Elite"モデル。なお、両者の大きな違いはBluetooth機能と触覚フィードバック機能で、上位機種の"Elite"にはいずれも搭載されている。公式WEBサイトでの直販価格は"NEO"が2万4980円、"Elite"が3万9960円となっている。
開封し、Macに接続する前にさわってみると、さまざまなボタン・ホイールが手に触れるのが楽しい。角のないコロコロとした造形は見た目の可愛らしさだけでなく、手馴染みの良さに直結していることに気づく。
また、「意外と重い」というのも印象的で、公証重量は本体376g(電池の重さを+すると424g)。もっとも机に設置して片手で使う製品であり、設置場所をコロコロ変えるものでもないのでこの重さは大正解、重いほうが良いのだ。
インターフェイスは11つのボタンと3つのホイールで構成されているのに加え、3つのホイールも押し込みの操作に対応している。ボタンもそれぞれ形が違うため、慣れると手元を見ずに操作することも簡単だ。ボタンの場所も秀逸で、操作しているときに別のボタンを間違えて押してしまう、といったことが起きにくい配置になっている。
さて、初めてTourBoxを使う際には公式WEBサイトで『TourBoxコンソール』というソフトウェアをダウンロードし、TourBoxをペアリングする必要がある。ボタンやホイールへの各種機能の割り当てにもこのソフトウェアを使用する。
TourBoxコンソールには主要ソフトウェア用のプロファイルがいくつかインストールされているほか、公式WEBサイトではユーザが作成したプロファイルが公開されており、こうしたプロファイルをあとからダウンロードして追加したり、追加したプロファイルをさらに編集したりして自分好みにカスタマイズすることもできる。
さて、ペンタブレットと左手デバイスの相性は言うに及ばず抜群だが、このほかにも右手にマウス、左手に「左手デバイス」というスタイルで使っても様々な恩恵が得られる。今回は「写真編集」と「音声編集」の2つのシーンを想定し、マウスと組み合わせて『Tourbox Elite』を使用してみた。