「マネタイズすることで“プロ意識”が身についた」 人気ポッドキャスト番組『シノブとナルミの毒舌アメリカンライフ』の二人に聴く“収益化との向き合い方”
『シノブとナルミの毒舌アメリカンライフ』マネタイズまでの道
――アメリカではすでにポッドキャストからスターが生まれているのですね。お2人は日本のポッドキャストでどのようにマネタイズされていますか?
ナルミ:オンラインサロンと、「ドクアメ アフターアワー」というエクスクルーシブコンテンツ、グッズ、YouTube、スポンサーさんですね。
シノブ:そこから派生してイベントもあります。
――海外のマネタイズ事例で参考にしたことがあれば教えてください。
シノブ:オンラインサロンを参考にしたわけではありません。私が中田敦彦さんの大ファンなので、同じことをやってみたくなって始めただけなんですよね。ただ、イベントに関しては少し海外の文化を参考にしたかも。有名なポッドキャスターの人たちがライブで収録をするというイベントをやっていることを知って始めましたので。
ナルミ:私も2人でイベントをやってみたいという気持ちがありましたので、始めてみませんかとシノブさんに言いました。それが2019年くらいだったと思います。
――そもそもポッドキャストをスタートする上で、収益化は考えていましたか。
ナルミ:全然考えていませんでしたね。ここまでくるのに3年かかっているので、そう考えると本当にパッションプロジェクトでした。2人がやりたかったものを楽しくやっているという感じです。
――マネタイズをしたいというよりは、サロンやイベントをやってみたいというパッションが先で、その後にお金がついてきた状態ですね。
シノブ:基本的には配信することが楽しくてやっています。私たちのポッドキャストは、リスナーさんから「聞いていて元気になります」とか、「一人でいる時に日本語が聞けるし、女子会にいるみたい」と言っていただけています。ファンが増えてきてからは、会いたいとか映像を見たいなどのリクエストも頂けて。それに対応したものがオンラインサロンや『アフターアワー』や、イベントなんです。
――サロンの運営もお2人でやっているんですか。
シノブ:そこは、ほぼナルミちゃんですね。
ナルミ:実際には私とシノブさんと、私の兄が運営に関わっているので3人います。プロジェクトがかなり多くなってきたので、兄に手伝ってもらうようになりました。シノブさんには本業があるので、私が中心で動いていますね。
――コミュニティ運営は大変そうな印象があります。
ナルミ:コミュニティが今の形になるまでには2年以上かかりましたね。サロンの状態や金額についても何度もフィードバックをもらって、試行錯誤してきました。いまのフォーマットに固まったのは本当に最近です。運営するのが大変というよりも、ニーズに応えられるように常に調整をしているという感じです。
――試行錯誤の上に成り立っているということですね。日本のポッドキャスト市場はまだマネタイズが難しいという課題がありますが、サロンの立ち上げは他のポッドキャスターにも伝えていきたいですか?
シノブ:思いますね。ポッドキャストにはそんなに初期投資が必要ではありませんし、いまの時代は誰でもマネタイズができます。リスクさえ自分でわかっていれば、どんなことにもトライしてみたらいいと思いますね。ダメだったらまた方向転換すればいいし。配信するということは、語学なのか、生活なのか、リレーションシップなのか、なんらかにパッションがあるわけですから、そこにとことん貪欲になって欲しいです。コミュニティは、まだファンが1人や2人の段階から始めてもいいんじゃないかと思いますよ。いまはいろいろな形の推し活がありますから、一般的に知られている人を推さなきゃいけないみたいな常識はないと思います。