PS VR2版『バイオハザードRE:4』試遊レポート 思わず仰け反る恐怖とリアルなアクションに抱く“キラーソフト級”の期待
今年を代表する傑作のひとつであり、先日、原作の『the another order』に相当する追加コンテンツ「セパレート ウェイズ」も配信されたばかりの『バイオハザードRE:4』。今冬には『バイオハザード7』や『バイオハザード ヴィレッジ』に続くVRバージョン(PlayStation VR2用)の配信も予定されており、9月21日から4日間に渡って開催された「東京ゲームショウ2023」では、実際にその内容の一部を体験することができた。本稿ではそのプレイレポートをお届けする。
今回の試遊版のプレイ範囲となるのは、ゲームの冒頭部分から村のゲートを開く場面まで。まずはなんといっても驚かされたのが、「あの森の中にいる!!」というVRならではの圧倒的な没入感だ。PlayStation VR2の画質の高さと、シリーズ随一のグラフィックの美しさを誇る『RE:4』の相性は抜群で、陰鬱とした空気に満ちた森の恐ろしくも美しい風景にすっかり魅了されてしまう。すでに『RE:4』を何周かプレイし、今回の試遊版のエリアについてもすっかり慣れ親しんでいる筆者だが、ついついゲームを進めることより、周りの景色を眺めたり、道中にあるさまざまなオブジェクトを見るのに夢中になってしまった(アイテムに関しては実際に手に持つことができるのも楽しい)。
とはいえ、これはあくまで「バイオハザード」であり、試遊を進めていくうちにそんな余裕はなくなっていく。『RE:4』は近年のシリーズの中でも比較的アクション要素の強い、敵を次々と倒していく爽快感を味わえる作品だと思っているのだが、実際に自分が主人公のレオンとなって敵に対面するとなると話が変わってくる。どのような展開になるのか分かっているはずなのに、最初の敵である村人が暗闇から顔を出して、少しずつこちらへと近づいてくる光景を目の前にしたときの恐怖が尋常ではない。『RE:4』の敵は銃弾を1、2発打ち込んだ程度では倒れないため、こちらは必死の形相にも関わらず余裕で眼前へと迫ってくる村人に対して、思わずリアルに大きく仰け反ってしまう(少し担当の方に心配されてしまった)。
だが、無事に倒してしまえば、そこに残るのは強い達成感と、銃を撃つ爽快感だ。特にガンプレイに関しては、(コントローラーを通して感じられる)撃つときの反動はもちろんのこと、リロード時は『ヴィレッジ』と同様にマガジンを排出し、新しいマガジンを取り出して装填し、スライドを引くことで完了するという、銃好きにとってはたまらないリアル仕様となっている。複数人の敵を相手に、スムーズにリロードアクションを挟みながら全員をさばき切ったときの気持ち良さは格別で、すっかり後半には敵の登場を待ちわびている自分がいた(とはいえ、実際に出てきたらとんでもなくビビるのだが)。
ちなみに『RE:4』の特徴でもあるメレーアクションについては、実行する際に通常と同様の三人称視点まで引く仕様となっている。少し残念ではありつつ、あの動きをリアルに体験したらVR酔いに苦しむことが容易に想像できるため、ここではプレイヤーの快適さを優先したということなのだろう。一方で、敵が復活するのを止めるために相手の頭部をナイフで処理する場面はしっかりVRに対応しており、元のバージョンよりも遥かにおぞましい体験を味わうことができるので安心(?)してほしい。また、試遊ではそこまで使うことがなかったのだが、ナイフに関しても実際に手に持って振り回す仕様となっているため、パリィやガード、そして「あの人物との戦闘」などがどのように味わえるのかが楽しみである。
今回は村のゲートを開ける場面までがプレイ範囲となっていたのだが、ここまで書いた通り、あくまでチュートリアル的な位置付けである最序盤ですら相当な恐怖であったため、“あの村”で大量の村人たちに囲まれる場面、なにより“あのチェーンソー男”に立ち向かうことを想像すると、それだけで背筋が凍りそうになる。だが、一方であの場面を見事に乗り越えることができたら、きっと他のゲームでは決して味わえないほどの圧倒的な爽快感に満たされることだろう。『RE:4』にはアシュリーとの共闘やステルス、さまざまなモンスターとの戦いなど、VR映えしそうな場面が盛りだくさんだ。試遊を経た今では、現行のPSVR2対応ソフトの中でもキラーソフト級の期待をして良いのではないかと思っている。
『バイオハザードRE:4』VRバージョンは、PlayStation VR2向けに今冬配信予定だ。
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