マウスコンピューター30周年特別レポート 国産BTOメーカーのこだわりと魅力を聖地・飯山工場にて知る

マウスコンピューター30周年特別レポート

教え子に教えられ 先生も悪戦苦闘?

 休憩を終えたら「第一工場」中央にある作業台で組み立てを開始。マウスコンピューターでは作業台毎にモニターが設置してあり、受注アイテムのデータや、先に触れた「開発本部」が作成したマニュアルが表示される仕組み。

作業台も普段実際に使っている場所。先生がマンツーマンで指導。
作業台上部のモニターに表示されるマニュアルを見ながら進行。
ノートPCだけでなくデスクトップPCまで。筐体の大きさも組み立てるモデルによって異なる。

 今回は子どもたちがオーダーしたデータが名前と共にモニター上に表示されていく。素人目にはこれを見れば簡単と思いきや、そこはBTOパソコンの世界。筐体の大きさから部材構成、配線などマシン環境は千差万別。先生役のスタッフも細かい構成まで含めると、自身も初見というマシンも当然出てくる。とはいえそこはプロ。マニュアルを読み解きつつ、子どもたちが組み立てやすいように要所要所でアドバイスしていく。

 子どもたちの作業を真剣に見守っている先生役のスタッフに聞くと「経験がない子に分かりやすく教えようとすることで、改めて自分が気付かされる部分も多いですね」とコメント。実は歴代の「親子パソコン組み立て教室」を教えるのは入社数年以上が経過した準中堅クラス。指導役の先輩がいなくてもひとりで組み立て作業ができる段階だが、子どもたちに教えるとなるとまた違った視点がでてくる。教え子が生まれることで自身の成長にも繋がっているというのが奥深い。

配線の取り回しなどを指導。小型筐体は配線取り回しもひと苦労。

 もちろん、親子教室では先生役の先生みたいなベテランも配置され、各所で先生役を見守っているのが印象的。「自分も数年前は同じことをしてましたね」と目を細める。そして同じく子どもを見守る親御さんのなかには「自分用のパソコンを作ることも目的ですがそれを通じて、モノ作りの大変さ、楽しさに気付いてもらいたいと思って参加しました」というお父さんも。

飯山工場で弾ける笑顔、子どもたちに寄り添うホスピタリティ

 先生役のスタッフの指導で続々と組み上げが進む子どもたち。2時間もすると早くもノートPCの子どもから組み上がっていく。ある程度、筐体の大きさや工程が絞られるノートPCは早いそう。

 組み上げが終わったら検査へ。このあたりもリアルな体験だ。すべて問題ないことが確認されたら完成。後は梱包と発送台への移送までも自らの手で行う。なお、パソコン組み立て教室では組み上がってすぐに持ち帰りたいという子もいるので車に移送する子もいるそうだ。完成後には修了証書を貰って笑顔で記念撮影。ひとり、またひとりと完成していく。

完成したら修了証書進呈と記念撮影。
梱包や出荷台までの移送も子どもたちの手で。

 そのなかで目についたのが、小型デスクトップPCに取り組んでいた男の子だ。先生の話を聞きながら何故、そのような構造なのかをじっくり観察し、理解しながら作っていた姿が印象的であった。

 それは前述の「モノ作りの大変さ、楽しさに気付いて貰いたい」と語っていた親御さんの男の子であったが、一生懸命組み立て作業を続けていく。

ネジ止めひとつでも丹念に。先生も自主性を尊重しつつしっかりサポート。

 先生役もじっくり横についてマンツーマンで指導。先生自身もみずからの知見に頼ることなく、手の大きさも違う子がどうやったら上手くできるだろうかを考えながら教えてくれている。すでに時間は開始から3時間を過ぎていたのだが、工場内の大人たちは温かい目で見守っている。

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