ともかほちゃんねるに学ぶ“ライフイベントを動画化する意義” 「日々を動画に残すことで誰かの救いに」

 誰にとってもYouTubeはもはや手放せない存在だ。多種多様なYouTubeクリエイターが人気を集めるなか、男女の恋模様を動画にして共有する“カップルYouTubeクリエイター”というジャンルも盛り上がりを見せている。リアルな男女の恋愛の様子から、友人のような関係のビジネスカップルまで、まるで友達の恋愛談を聞くような感覚で楽しめるカップルチャンネルは、若い世代を中心に人気を博している。

 普通の大学生と会社員だったカップルから、登録者数25万人を誇る人気クリエイターへと転身した「ともかほちゃんねる」が、自らカップルYouTubeクリエイターにまつわるアレコレを語るエッセイ連載『カップルYouTubeクリエイターと○○』をスタートした。

 ルーティン・料理・旅行・同棲の悩みなど、生活感に溢れた同棲カップルの日常コンテンツを中心に投稿し、その等身大の姿が視聴者からも共感を集めている2人は、カップルYouTubeクリエイターをどのように考えているのか。第六回は、アメリカでの新婚旅行から帰国したばかりの2人に「カップルYouTubeクリエイターにとっての旅行動画」というテーマを投げかけてみた。

仕事意識を持たない方が旅行動画は面白くなる

ともや:以前まで、旅行動画などを撮影するときは仕事スイッチを入れていたんです。“こういうシーンがあったほうがいいかな”とか、“こういうインサートを入れたほうがいいかな”というように、編集するときのことを考えながら撮っていました。でも徐々に慣れてきて、最近はバチッと仕事スイッチを入れなくても、Instagramのストーリーズにアップするような感覚で撮影できるようになりました。

かほ:ともかほちゃんねるを開設したばかりのころはふたりともカメラ慣れをしていないこともあり、撮影するときはどうしてもカメラを意識してしまったり、旅行の計画を立てるときも動画のことを第一に考えてしまったりしていました。でも、最近は撮影中も自然体でいられるようになったんです。特に新婚旅行動画に関しては、クオリティや仕事意識をそこまで持たずに楽しもうという気持ちが大きかった気がします。結果的に、そのほうが動画もおもしろくなるんですよね。

ともや:撮影ありきではなく、あくまでも普通の旅行として計画を立てて、そのなかで何か起こったときに撮るというスタンスですね。ただ、新婚旅行を計画している段階では、“ここでこんな動画を撮れるといいな”とか、“ちょっとしたハプニングが起こったらおもしろいな”と思っていたのですが、実際に行ってみたら全然起こらなくて……ちょっと残念でした(笑)。

かほ:どの動画もそうですが、視聴者の方と感情を共有したいという気持ちがあるんです。新婚旅行動画は、見ている人も一緒に旅行感覚を味わえるような構成にしました。グランド・キャニオンに行ったときは、渓谷が見えてくる少し前からカメラを回し始めて、「せーの!」と言ったタイミングで景色を見せることで、視聴者さんと感動を共有できるようにしました。

ともや:新婚旅行動画では僕がかほを撮っていて、僕目線の映像になっているシーンも多いので、視聴者の方に“一緒に旅行している感”を味わってもらえたんじゃないかなと思います。長年の勘で、「ここでこれ以上撮っても、おもしろいことは起こらないな」というのがわかるようになってきたので、そういうときはカメラを止めてしまうんです。そうすると、カメラに残っている素材はほとんどが使える映像になっています。編集するときも、その残っている素材からいらない部分や“間”をカットするだけなので、そこまで大変な作業にはならないんですよ。

かほ:新婚旅行中は普段通りにしていたつもりだったのですが、テンションが上がりっぱなしだったみたいで。帰国後、編集している自分とのテンションの差が大きすぎて、画面のなかの自分を見ながら「えっ、誰?」みたいな感覚になりました(笑)。編集してムダな部分を省いても「新婚旅行編」としてまとめられるくらいボリュームのある動画になったので、私たちのなかでは“思い出たち”の記録動画という位置づけになりました。

関連記事