『VRChat』で“重力体験”や実寸大のISS実験棟に乗り込める! 「VR宇宙博物館コスモリア」の盛りだくさんな魅力を解説

正統派な宇宙博物館としてもハイレベル しかも展示物は有志の制作

 ここまで天文学とVRを掛け合わせたユニークな部分を紹介してきたが、「VR宇宙博物館コスモリア」は博物館としても大変素晴らしい出来栄えのワールドだ。

 館内に流れている音楽は、シームレスに切り替わるように工夫されており、見ている人の没入感を阻害しない形になっている。宇宙の雄大さを感じられる楽曲が数多く盛り込まれているので、ぜひとも目だけではなく耳も傾けてほしい。

 また、館内にはタブレットが置かれており、各展示物の解説を読むことができる。解説の内容は場所ごとに自動で切り替わるので、面倒な操作は不要という細やかな心遣いがなされている。

 展示物の解説について、そのほとんどをタブレットで済ませているので、館内には文字による解説は少ない。展示物を集中して見られるようになっているというわけだ。いかにしてストレスをなくすかを考えている点で、博物館として純粋に優れた作りになっていて、まるで「未来の博物館」を訪れているような感覚になれる。

ワールド内で利用可能なタブレット。案内図だけでなく、各展示の詳細な解説などを読むことができる

 展示されている3Dモデルは、パブリックドメインのアセットを使用しているものもあれど、その多くは有志のクリエイターが手ずから制作したものも多い。展示物には制作したクリエイターのクレジットがそれぞれ表記されており「有志でここまで制作したのか」と驚かされる。

「Credit: Model by S_ASAGIRI」と表記されている

 そう、この「VR宇宙博物館コスモリア」で1番驚くポイントは、外部の制作会社へ金銭を支払って制作してもらうのではなく、有志が力を合わせて完成したのだ。展示されている3Dモデル、ギミック、音楽といった、博物館を構成するさまざまなものが、“好き”の力によって作られているのである。『VRChat』には採算度外視で作られたワールドやイベントが多く存在するが、完全に金銭のやり取りをせずに作られたものはそう見ない。「天文仮想研究所」に所属するメンバーを中心とした、宇宙への愛がなせる技といえよう。

 『VRChat』は、VRの環境がなくともデスクトップで遊ぶことができる。ぜひとも自分の目で、宇宙好きの手によって作られた「未来の博物館」に行ってみてほしい。

■公式WEBサイト
「天文仮想研究所(VSP)」公式WEBサイト

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