自作パソコンは意外と簡単!? 人気YouTuber・はねまりチャンネル、にゃーにゃちゃんねるも参戦した、BTOパソコンメーカー・サイコムの「親子パソコン組み立て教室」に参加してきた

「親子パソコン組み立て教室」体験記

テレビにゲーム機を繋ぐのとそんなに変わらない? 指定の場所にパーツをはめこむだけで意外と簡単!

 組み立て工程は、まずは「マザーボード」にパーツを取りつけることから。マザーボードはパソコンのなかでメインとなる電子回路の基盤。あらゆるパーツを載せていく土台といったイメージだろうか。そこに、パソコンの頭脳にあたる「CPU」、パソコン作業時にすぐアクセスするデータを貯める場所である「メモリー」、映像処理で活躍する「グラフィックボード」を取りつけていく。

 組み立て作業時は、手袋をはめて行うのが鉄則だ。繊細なパーツたちに汚れやキズをつけないためでもあるが、なかにはギザギザと尖っているパーツもあるため、不慮のケガを防止するためでもある。

手袋をしっかり装着!

 まずはメモリーを指定位置にはめこむところから。スロットの横にあるレバーをおろして、メモリー端子部分の切り欠きの向きを確認してから装着しよう。結構力を入れて押し込む必要があり、カチッとはまった音がすればOKだ。

結構力がいるぞ!

 続いてCPUをマザーボードに装着するのだが、これがパソコン組み立ての最初のキモ。CPUとその設置場所それぞれには互いの接点となる微細な1178本のピンがあるため、作業はとくに慎重に行う。

押し付けずに位置を合わせて「そっと載せる」のがコツだ!

 マザーボードに押しつけるのではなく、位置を合わせてCPUをそっと載せていくのをイメージするとよい。スタッフの説明を真剣に聞きつつ、コワゴワ作業する参加者たち。表情も真剣そのものだ。

 無事、CPU組み込み作業を完了し続いてCPUクーラーの装着へ。CPUクーラーはパソコン内部を冷却して一定の温度にキープするものだが、そこそこ大きなそのサイズ感に参加者たちも驚きの表情。

箱を開けて大きさに驚くまりちゃん

 大きなモノは当然、組み立て作業もしやすいので、この辺りで参加者たちの表情もゆるみ笑みがこぼれる。そう、大きなものを組み立てるのってシンプルに楽しいのだ。

パソコンが出来上がっていく感じがする!

 そうしたら、最後にストレージとなるM.2 SSDの装着だ。今回は1TBのものを使用した。こんな小さなチップに1TB(約1024GB)もデータを保存できて、読み込みや書き込みのスピードも速いという優れものだ。

手のひらサイズなのにたくさんデータを保存できるすごいヤツ!

 まずはM.2 SSD本体から熱を効率良く取り除いてくれるパーツ「ヒートシンク」を外していく。プラスネジで留まっているだけなので、どこにでも売っているプラスドライバーがあればOKだ。そうしたら、端子部分にM.2 SSDを差し込む。ペロンと浮き上がった格好になるが、ネジで固定してあげればよいので心配しなくてもよい。

 M.2 SSDの固定が済んだら、ヒートシンクを戻して完成! 思ったよりも簡単でホッと一息。

特殊な工具も必要ないので安心だ

 マザーボードが完成したら、次はパソコン本体となるパソコンケースに電源、配線を取りつけていく。それぞれを各部の指定位置へドライバーを使ってビスドメ。日頃からDIYが大好きという「はねまりチャンネル」のはねちゃんは手つきからして慣れたものだ。

DIY好きなだけあって、手慣れている様子

 サイコムの職人スタッフのアテンドを受けながら、次々と楽しげに組み立て作業を進めていく。その様子を優しく見守るはねまりパパだったが、実はパパ自身もともとシステム系の出身で、自作パソコンを30年以上やっているという強者だったという意外なエピソードも明らかに。

自作パソコンにも詳しいはねまりパパ

 続いてパソコンケースにマザーボードを取り付け、さらにグラフィックボードを装着していく。HDMIケーブルを接続できるように、ケースのパーツを取り外して窓を作ってあげよう。

 大人の靴くらいあるこの大きなパーツは、ゲームや動画編集では特に重要なパーツ。YouTuberとして活躍する二組も、真剣そのものの表情だ。

 最後に電源をマザーボードに差し込んでいく。その他のケーブルの取り付けも、職人スタッフが優しく丁寧にアテンド。職人をお手本に、中身も美しい自作パソコンが組み上がっていく。

 これまであまりデスクトップパソコンにご縁がなかったという「にゃーにゃちゃんねる」の3姉妹もいつもの笑顔、ナイスコンビネーションでパソコンを組み立て、最後には「パソコンをつくるのって楽しい!」と充実の表情を見せてくれた。

 約10分間の休憩を挟んで、完成した自作パソコンにOS・Windows 10をインストールする。この作業はOSデータの入ったUSBメモリを介して行うだけなので、数分待って完成。最後に修了証書、参加者全員での記念写真を撮影して、今回の『Sycom Craftsmansip パソコン組み立て教室イベント』が無事、終了した。

自作パソコンの楽しさを若い世代に伝えたい

 組み立て教室を通じて、BTOや自作パソコンに触れてこなかった人たちにもパソコン自体やその組み立てのおもしろさを伝えようと開催された今回のサイコムのイベント。その恩恵をたっぷり享受した親子がいたので、ご紹介したい。

 この日、「自分仕様のゲーミングパソコンがほしい!」とイベントに参加した原田さん親子。息子さんが中学生のときにゲーム『Minecraft』にハマり、当初はノートパソコンやSwitchで楽しんでいたが、やがて自分の思い通りにサクサク動かないことに不満を感じるようになっていった。そこで、ゲームをストレスなく存分に楽しめるハイスペックパソコンがほしいなと感じていた息子さん。

 あれこれ調べていくうちに、BTOパソコンのサイコムなるメーカーがあることを知り、自分仕様のパソコンへの思いがどんどん昂っていった。そんななか、今回のパソコン組み立て教室があることを知り、キットを購入して親子で参加したのだという。実はパパ・原田さんもかつて若いころに自作パソコンを嗜んでいたことがあり、そんな息子さんの思いを自然とあと押しした。

 イベント中は熱心にパソコンを組み上げていく息子さんに、ときには「ああ、違うよ、ここはこうだよ!」とつい、声が出そうになった原田さん。が、真剣なまなざしで取り組む息子さんの姿をみて「ここは口出しするのはやめておこう」と終始あたたかく見守ることに。息子さんが自分の世界に入ってきてくれたような気がして、内心うれしかったという。

お父さんも息子さんもうれしそうな表情を見せた

 「普通では体験できないプロの人に教わりながらパソコンを組むという貴重な体験ができました。ものすごく楽しかったですね!」と親子そろってご満悦の様子だった。

そんな満足げな参加者たちの表情を見て、充分な手応えを感じた河野CEO。実は夏休みの親子パソコン組み立て教室を実施したのは約10年ぶりのこと。その背景にあるのは業界全体に対する危機感だったという。

修了証書を授与する河野CEO

「長年、自作パソコンやBTOパソコンを手がけてきましたが、気づけば私も然り、よく利用してくださるお客さまの年齢層も一緒にそのままあがっていいくだけ。若い世代にBTOパソコンのよさを伝えきれていないと感じていたんです。そんななか、コロナ禍もあって、ゲーミングパソコンへのニーズが高まった。そんないまこそ、若い世代を育てていかなくてはならないのではないかと」

この日の参加者の反応を見る限り、自作パソコンやBTOパソコンにはまだまだ文化の継承も含め、発展の可能性が大いにありそうだ。

■関連リンク
サイコム:https://www.sycom.co.jp

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