センサー、スイッチ、材質……日々進化するゲーミングデバイス! 名店『パソコンSHOPアーク』のスタッフが語る“自分の感覚を信じて選ぶ重要性”

自分の感覚を信じてデバイスを選ぶ重要性

 東京・秋葉原に店舗を構える『パソコンSHOPアーク』(以下、アーク)は、PCパーツや周辺機器、PCのBTO(受注生産)販売、ゲーミングデバイスなどを取り扱うPCショップの老舗だ。

 アークが、数多くのPCゲーマーに愛され続けてきた理由のひとつには、売り場面積の大部分を占めるゲーミングデバイス類の豊富な品揃えと、それらの多くを手に取って触ることができる試遊コーナーの充実ぶりが挙げられる。

 日本有数の電気街の一角から、長年に渡ってPCゲーマーたちに寄り添い続けてきた経験から導き出される、ギア選びの極意とは――。

 アークの店長を務める渋谷義寛(しぶや よしひろ)氏(写真右)と、店舗スタッフの磯田尚輝(いそだ なおき)氏(写真左)に、ゲーミングデバイスの“発展と進化の歴史”や、注目すべきポイントなどを語ってもらった。

PCゲームを愛するスタッフが語る、ゲーミングデバイスのトレンドやニーズの変遷

――はじめに、自己紹介を兼ねて、現在の担当業務と好きなゲームジャンルを教えてください。

渋谷:アークの店長を務めております。最初はアルバイトとして入社し、2012年に店長に就任しました。店内のレイアウト作りを含めた、店舗業務全般を担当しています。

 好きなゲームジャンルはFPS(ファーストパーソン・シューティング)とMMO(大規模多人数同時参加型オンライン)RPGですね。

 それこそ昔は、FPSであれば「Counter-Strike(カウンターストライク)」シリーズ、MMORPGであれば『リネージュ』から始まり、さまざまなタイトルに触れてきました。最近はもっぱら『FINAL FANTASY XIV(ファイナルファンタジーXIV)』をプレイしているのですが、毎日忙しくて若いときほどゲームに時間を割けないのが悲しいところです(笑)。

アークの店長・渋谷さん

磯田:私は店舗スタッフとして、店長・渋谷の補佐的な業務を担当しております。6年ほどまえ、私がまだ高校生だったころにアークを利用してから、すっかり“ゲーミングデバイス沼”にハマってしまいまして……。ちょうどそのころアークが求人を出していたこともあり、アルバイトからスタートして現在は正社員として勤務しています。

 渋谷と同じくFPSとMMOが大好きなんですが、私は渋谷ほど忙しい身ではないので(笑)、『Counter-Strike: Global Offensive(カウンターストライク:グローバルオフェンシブ)』や『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』、『VALORANT(ヴァロラント)』などをガッツリ遊んでいます。あとは『FINAL FANTASY XIV』も、ちょこちょこプレイしている感じですね。

渋谷:あのやり込みっぷりは、「ちょこちょこ」ってレベルかなぁ……?

磯田:いやいや! ちょこっと、エンジョイで遊んでいるだけですよ(笑)。

アークの店舗スタッフ・磯田さん

――やはり、おふたりともPCゲームがお好きなんですね! アークさんといえば、店内ところ狭しとゲーミングデバイスが陳列されていることで有名ですが、いつごろからデバイス類を扱うようになったのでしょうか。

渋谷:私が入社したのはアークが現在の店舗になってからなので、それ以前のことはわからないのですが……というのも、そもそもアークは1999年に神奈川県・川崎市でオープンし、2004年に東京・秋葉原へと進出しました。

 しかし、その当時は外神田4丁目(現在の秋葉原UDX付近)に店舗があり、そこからさらに2006年に外神田6丁目へと移転してきて、いまに至ります。

 ゲーミングデバイスの売り場面積を大幅に拡大し、なおかつ試遊機の展示をするようになったのは、手前味噌ながら私が店長に就任してからです。やはり、マウスやキーボードなどは「触ってみないとわからない」ということで、私が店長になって最初に着手したことが、お客さまが実際にデバイスを手に取って試せる店舗作りでした。狭い店内ながらも、できる限りのことはさせていただこうと……。

アークの店舗内。数多くのPCデバイスが試遊できるようになっている。

――なるほど。続いて、PCショップにて長年勤務されてきたお立場から、近年のゲーミングデバイスにおけるトレンドや、ユーザーのニーズについて教えてください。

磯田:まずはゲーミングマウスですと、ワイヤレス接続かつ、本体重量が軽量な製品を求められるお客さまが増えたように思います。

 5年ほど前までは、マウスのセンサー(※1)の性能や、クリックボタンやサイドボタンに使用されているスイッチの品質に注目されるお客さまも多かったのですが、デバイスメーカー各社が競い合うように高品質なセンサー、スイッチを採用するようになっていくに連れ、内部パーツのスペックを気にされる方も年々減ってきました。

 昔はセンサーの読み取り精度がいまほど高くなかったせいで、マウスを勢いよく動かしたり、センサーとマウスパッドとの相性が悪かったりすると、ポインターがあらぬ方向に飛んでいく……なんて現象が起きることもあったのですが、近年はそういったケースもほぼ耳にしなくなりましたね。

 最近ですと、「PixArt PAW3370センサー」や「PixArt PAW3395センサー」がとくに性能が高いということで、これらを搭載したマウスの人気が高まっています。

【※1:マウスのセンサー】……マウス本体を動かした際に、“どれだけ移動したか”を読み取ってPC上のマウスポインターの移動に反映させるための検知器。

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