『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』#3ーーひろゆき、ディレクターへの鬼詰めも、“いじわる”ではなく“観察”?

『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』#3

 ABEMAで配信中の『世界の果てに、ひろゆき置いてきた』は、実業家の西村博之(以下、ひろゆき)がナミビアから始まりアフリカ諸国を旅するという番組。日本一ロジカルな男ひろゆき氏を、論理の通じない過酷な世界に10万円だけ渡して放り込んだらどうなるのかが見どころとなっている。

 しかし、旅に慣れてきたであろう5日目からを映し出したエピソード3では、同行する豊川Dに対して理詰めするシーンがちらほら。「もしも自分が豊川Dなら……」と想像しただけで、ちょっと具合が悪くなるような論破っぷりだった。しかし、冷静にひろゆき氏の怒りを整理すると、見えてきたこともある。

 まず象徴的だったのは、「トイレをしてきます」と荷物を置いて行ったひろゆき氏の荷物を置き去りに豊川Dが離れて行ってしまったこと。たしかに国境沿いのこの場所で、この旅のすべての荷物が入ったバックパックを取られたら……考えただけでも恐ろしい。そもそも、場所取りに荷物を置いて行って、盗られない国は早々ない。そこは、ひろゆき氏の怒りも当然だ。

 次に印象深かったのは、これまでもトラブルの引き金になってきた、許可なしでの撮影について。今回もこれがきっかけで国境を超える際に事情聴取になってしまう事態に。ここでひろゆき氏は「アフリカの人は勝手に撮られるのが嫌だと何度も言っていますよね?」と伝え、豊川Dは「以降気をつけます!」と明るく返す。

 そして、この回で1番の怒りを誘ったのはザンビアにあるヴィクトリア・フォールズでのこと。そもそも、この場所、ひろゆき氏は行ったことがあるとのことで「どっちでもいい」と行ったが、豊川Dが「それでも、僕は行ってみたい!」と懇願して、行くことになった場所であった。ここで豊川Dは「もしも撮れ高があったら、旅の軍資金2万円を追加する」とルールを発表。それゆえ、ひろゆき氏はびしょ濡れになり、寒さを感じながら滝の間近に行くなど体を張っていた。しかし、ここでの撮れ高を「ローカルな場所じゃなく、あまりにも有名な場所だったから……」と豊川D。それを聞いたひろゆきは「撮れ高じゃないというなら、今後豊川Dが行きたいところに一切行きません」「行く必要ないし、行きたくないって言いましたからね」「豊川さんのお願いを聞いて、1日無駄だったということですよね?」と容赦無く詰めたのだ。

 ただ、この怒り、言っていることは最もな気もする。よくよく見返すと「暑い」だの「歩きすぎて疲れた」だの、八つ当たりするような怒りはないのだ。話し方が淡々と論理的であるがゆえに、怒っているようには見えるが、決して怒っているのではなく指摘をしていると言ったところであろうか。 実際にこの後のシーンでひろゆき氏は「豊川さんに対して、全く怒ってないですよ」「なんでこうなんだろうと観察してしまう」と発言している。

 とはいえ、視聴者の目には怒っているように見えてしまうのも事実。今後のストーリーで、彼のパブリックイメージがどう変化していくのかは注目したいところだ。

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