『ピクミン4』『Pokémon Sleep』など「タスク管理型ゲーム」が台頭中 トレンド化の兆しを見せる背景は?
新たなゲームジャンルが台頭しつつある。
「タスク管理型ゲーム」とは、いったいどのようなジャンルなのか。概要を踏まえつつ、トレンド化の理由に迫る。
仲間を管理・コントロールし、細かな作業を上手に進める「タスク管理型ゲーム」
「タスク管理型ゲーム」とは、プレイ中に都度発生する細かな作業を、登場する複数のキャラクターたちにこなさせることにより、少しずつ歩みを進めていく性質を持ったサブジャンルのこと。プレイヤーが直接手を動かすことよりも、仲間たちを管理・コントロールすることが主なゲーム性となっており、明確なひとつの攻略ルートを持たないことが特徴だ。多くの場合、現実の時間の進行によってタスクが進捗していくため、意図したタイミングで成果が上がるケースは珍しい。不自由なく攻略していくためには、適切な配置や優先順位の設定など、効率性が求められる。
たとえば「牧場物語」では、伝統的にコロボックルという補助キャラクターが登場する。同シリーズでは、プレイヤーが直接農作業をこなしていくこととは別に、彼らにタスクを割り振ることができ、双方を両立することで、より快適にプレイできるよう設計されている面がある。
直近では、同様の性質を持つタイトルとして、シリーズにとって10年ぶりの完全新作となった『ピクミン4』や、睡眠をテーマにしたデザインが話題を集めた『Pokémon Sleep』などがリリースされている。密かにトレンド化しつつある分野が、「タスク管理型ゲーム」というわけだ。
「タスク管理型ゲーム」の誕生と確立 背景にある「放置系ゲーム」の存在
「タスク管理型ゲーム」が誕生し、ジャンルとして確立されつつある背景には、「放置系ゲーム」の存在があるように思う。「放置系ゲーム」とは、プレイヤーが能動的に進行に干渉せず、特定の状況のまま放置することが攻略のキーアクションとなっているサブジャンルだ。2010年代前半ごろ、スマートフォンの普及にともないモバイルゲーム市場が勃興したことで、ゆるく遊べるゲームの代表として台頭し、『おさわり探偵 なめこ栽培キット』『ねこあつめ』『放置少女〜百花繚乱の萌姫たち〜』といったヒットタイトルを生んだ。
「タスク管理型ゲーム」と「放置系ゲーム」には、攻略の根幹にプレイヤーが積極的に関わらないという共通点がある。求められるのは、環境を準備することだけ。あとは時間経過によって状況が変化していくのを見守るのみなのだ。もちろん先述の『ピクミン4』では、それ以外の部分でプレイヤーが能動的に進行に関わらなくてはならない場面もある。しかしながら、最も大切なのはピクミンたちの管理にほかならない。その意味において、両分野は、共通する特徴を持つと言えるのではないだろうか。