にじさんじ・山神カルタが秘める類まれなポテンシャル 自然体な振る舞いの中でキラリと光る“ジェットコースター式トーク”の魅力

「ストレス解消はしゃべること」と話すほどおしゃべり好きな山神カルタ

 とある配信のなかで、山神カルタは「おすすめのストレス発散方法はなんですか?」というリスナーからの質問に対して

「一番のストレス発散方法はしゃべることかもしれない。中身のない会話を永遠とつづけることがストレス発散」

と答えていたことがある。

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 「話したいことが多すぎるので毎日雑談したい」というほどのおしゃべり好きであり、実際に彼女の活動内容を通して一番多くおこなわれてきたのが雑談配信だ。

 デビュー当初は抑揚が少なく、のんびりとした印象を与える声と口調だったが、現在ではかなり早口でリスナーに語りかけるようになったようだ。

「え、ってことはあたしって寂しがり屋ですか? 自己中なのかな? ただただ話を聞いてほしいだけなの。(リスナーのコメントを見て)“悲しきおしゃべりマシーン”じゃないよ!」

 先の動画を見てもらえれば、リスナーとの軽快なやりとりが見て取れる。彼女の面白いトークに引き寄せられ、ヒネリの効いたコメントを流すリスナーも増えたことで、一層彼女の雑談配信は魅力に溢れるものになった。

 そんな彼女のトーク・雑談スタイルはというと、サラっと会話しているかと思いきや、何の脈絡もなく違う言葉を口にして、そちらのほうへ話題がうつり変わることが多く、転がるように話題を変えながら淀みなく展開していくのが特徴。

 あまりに唐突に話題がガラっと変わることでリスナーも驚くコメントを残すこともあるが、本人としては何の違和感もなく会話を続けていくので、「あれ? 自分がおかしいのか?」としばしば自問してしまうリスナーもいるだろう。

 そんな彼女の会話は、“脊髄トーク”と評されることが多い。話したい欲求が先立ってしまい、あれこれと言葉を連ねているうちにあまりにも脈絡のない発言がうまれてしまい、リスナーが「どういうこと?」と疑問符を浮かべてしまうようなシーンが訪れるのだ。

 同じにじさんじライバーでいえば、葛葉や不破湊らがこういったテンポ・内容の会話をしていくことが多いのだが、彼らに負けず劣らずのトークを展開することが多く、これまでにじさんじの公式チャンネルを通じて何度もネタにされてきた。

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 雑談上手といわれる月ノ美兎やジョー・力一のような理路整然とした語り口や、葛葉や不破のように話の筋を通しながらも急に“パワーワード”を投げ込むようなスタイルとも違い、筋通りに話しているかと思いきや「っていうかぁ……」と切り出していきなりどこかへ話題がすっ飛んでいくスタイルは、先輩のアンジュ・カトリーナと近しい。

 とはいえ、おそらく彼女は狙ってこのようなトークをしているわけではなく、“おしゃべり好きな女の子”という生来の個性があってこそ生まれたのではないかと筆者は感じている。

 ちなみに、彼女が発したセリフのなかで、筆者の記憶に強く残っているものといえば、ふっとしたタイミングで発した「人生どうでもEDM」という言葉。リズミカルな語感で意味合いも快活。彼女の雑談力……いや“迷言メイカー”な一面をアピールする名文句となっている。

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 こうした個性豊かなトークでリスナーを惹きつける山神だが、その口調・レスポンスともに前述したようなおっとりとした、“天然”な印象も残っている。

 グウェル・オス・ガールが主催する名物企画「ワードウルフ」へ参加した際には、ゲームを開始する前にしっかりとルールについて説明されたのにも関わず、解答する際に「あの、ヤマ(山神)はヤマ(山神)なんですけど?」と謎の質問をしてしまい、ゲームマスターのグウェル及び、ゲームに参加していた夕陽リリ、伏見ガク、来栖夏芽、そしてリスナー、その場に居合わせた全員を混乱させてしまうほど。

 夕陽リリから「ルールを把握してないですこの子!」と思わずツッコまれるほどであるが、納得のツッコミだったと言わざるを得ない。

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 本人いわく「自分ではすごく考えながら発言している」ようで、とある雑談では、リスナーから「ヤマってたまに何も考えなくなるよね」とストレートなコメントをもらったときに

「そりゃ……そうかな。基本的にあんまり……いや考えてはいるか。配信中はむちゃくちゃ頭回ってるよ」
「それを考えてないように見せているのが、ヤマのすごいところなのよ。そう考えると『何も考えてないように見える』と言わしめるのが、ヤマの実力。すごすぎ」

と、このような機転の利いたレスポンスを返してみせている。実際、頭の回転の速さを裏付けるようなエピソードも存在する。

 にじさんじ内の大会『にじさんじ遊戯王マスターデュエル祭2022』に出場した影響もあり、ここ半年で『遊戯王 マスターデュエル』をかなりやり込むようになった山神。

 師匠役となった春崎エアルの言葉や腕利きのリスナーらのコメント、さらには同ゲーム独特のゲームシステムや語句についても、初見でプレイした時点から難なく理解してみせたのだ。

 くわえて「さっき〇〇〇って言ってたけど、今だと×××ってこと?」と、少し複雑な内容でも詳細を教えられるまえに何度も自力で最適解にたどり着いてしまい、春崎やリスナーから驚かれていた。

 その成長速度から多くのデュエリスト(遊戯王プレイヤー)からは多くの期待を寄せられているようで、その後彼女の配信において『遊戯王マスターデュエル』をプレイする際は多くの視聴者が集まるようになった。

 数珠つなぎのように続いていく会話と発せられる“名言と迷言”の数々、スっと差し込むような機転の利いた受け答え、カードゲームで見せた理解力の高さ、それでいて時に間の抜けたとぼけた一面。

 そのどれもが、山神カルタは“おしゃべりが大好きな自然体の女の子”という像を形作る、重要なファクターとなっているのだ。

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