27年ぶりの復刻がTwitterトレンド入り 『スーパーマリオRPG』が“いま”リメイクされる理由

『スーパーマリオRPG』が四半世紀ぶりにリメイク

なぜ四半世紀以上の時を超え、いま『スーパーマリオRPG』はリメイクに至ったのか

 この大きな課題を乗り越えて、なぜ27年ぶりに『スーパーマリオRPG』はリメイクされることになったのか。私はその理由がハード市場の勢力図の変化にあるのではないかと考えている。

 コロナ禍での巣ごもり需要を追い風に、大きく販売台数を伸ばした任天堂の現行機・Nintendo Switchは、ローンチから6年以上が経過していながら、後発のPlayStation 5やXbox Series X|Sにも負けず、“一人勝ち”の状況が続いている。同社が提供するプラットフォームがこれだけの覇権を握るのは、スーパーファミコンの時代以来。それこそ四半世紀以上ぶりの天下取りである。

 シェアが拡大して以降は、話題作・注目作が定期的に大ヒットを記録。『あつまれ どうぶつの森』『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』『スプラトゥーン3』『ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム』といったタイトルの商業的成功は、誰もが記憶に新しいはずだ。こうしたハード普及による影響は、なにもAAAタイトルだけにとどまらない。Nintendo Switchでリリースされる多くのソフトが、その恩恵に預かり、当初予定していた販売本数以上の結果を残してきたに違いない。

 『スーパーマリオRPG』のリメイクにあたっては、Nintendo Switchが普及したことで見込める売上の目処がたち、大人の事情が解決に向かった部分もあるのではないだろうか。権利の問題が2社をまたぐ以上は、当然「使用料」「利益の分配率」といった話も議題のひとつとなったはず。それを支払ってもプラスが見込めるからこそ、同タイトルのリメイク計画は水面下で進行してきたのだろう。

 その観点に立つと、今回の「Nintendo Direct 2023.6.21」におけるリメイク版『スーパーマリオRPG』の発表は、大成功だったといえる。誰も期待していないタイミングでのサプライズによって大きな話題性が生まれ、オリジナル版をプレイしていた層はもちろんのこと、それ以外の層、「かねてからその評判は聞き及んでいた層」「まったくその存在を知らなかった層」などにも広くアプローチできた。2023年11月という記憶が薄まらないタイミングを発売日としたことで、高い温度のまま手に取るプレイヤーも少なからず増えるだろう。それらを含め、任天堂にとっては満を持しての発表だったのかもしれない。

 近年稀に見るほどの大きなトピックとなったリメイク版『スーパーマリオRPG』の発表。ゲーム業界を取り巻くコンプライアンスの問題により、オリジナル版に散りばめられた小ネタの数々が収録されない可能性があるという懸念はあるが、ひとりのファンとしてぜひ商業的にも文化的にも成功してほしいと願う。発売までは約半年。『スーパーマリオRPG』は、各販売サイトなどで予約がスタートしている。

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