古田新太、“おじさん”になったマーベルヒーローをどう演じる? 「大嘘がつける」オーディオコンテンツを演じる楽しさ

「聴いている側がいくらでも想像できるからこそ、より面白くなってる」

――本作の世界観についてはどう感じましたか?

古田:宇宙の運び屋をやってて、一度地球に戻ろうとするけど、その地球が崩壊してるんです。イメージでは『猿の惑星』のような世界観ですね。マーベルは基本的に都市部で活躍するヒーローが多い気がするけど、今回は荒野が舞台で西部劇のイメージもあるんじゃないですか。

――オーディオドラマは大嘘がつけるのが魅力という話がありましたが、今回、気持ちいい大嘘がつけたシーンなどはあったのでしょうか。

古田:ピーターとロケットの雇い主がいるんですけど、その雇い主をハメようとするシーンは楽しかったです。なんとか嘘ついてそいつを利用してやろうっていう。いかにも、ちゃんとしてないヒーローっぽくて(笑)。

――いかにもピーターとロケットらしい行動ですね。ロケットを演じた共演者の多田野(曜平)さんのお芝居はいかがでしたか。

古田:面白いですね。オイラが先に収録して、多田野さんがそれに合わせてくれるんだけど、編集の妙もありますが、きちんとクロストークになっているんです。2人の掛け合いは楽しいですよ。ファンはもちろん、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』を知らない人でも楽しめると思います。

 2人と一緒に旅をするのコーラというロボットがいるんですけど、彼女は無機質なしゃべり方をするので、感情的でヒステリックなロケットとお気楽なピーターのやり取りが際立って自分で聴いても面白かったですね。

――無機質な女性ロボットとお気楽なおじさんとヒステリックなアライグマの珍道中なわけですね。

古田:それが全編に渡って続きます(笑)。この3人のちぐはぐな会話がまたいいんです。それにピーターがまたなんか妙なロケットブーツを履いたりするんですよ。それが壊れてるからどこに向かうかわからないみたいな、ドタバタ展開が笑えます。これはオーディオコンテンツで、聴いている側がいくらでも想像できるからこそ、より面白くなってると思います。

――オーディオコンテンツならではのマーベル世界が展開されていきそうですね。

古田:そうですね。オイラが出演したのは第1シーズンですけど、この後にも違うヒーローたちが出てくるんです。最終的には彼らが集まって巨悪を倒すという形になるんじゃないかな。そういう大河ドラマみたいな展開は面白いし、最初のシーズンを聴けば、次のシーズンもきっと聴きたくなるはずです。

 いつも原作のあるものについては、原作ファンをいかに裏切らないかを念頭においてやってます。今回も『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』のファンにがっかりされないように演じたつもりなので、ぜひともオイラなりのスターロードの解釈を楽しんでほしいですね。

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