『今日好き パタヤ編』最終話ーー「大好きでした」と“過去形”の想いを伝える “良い思い出”として昇華する別れ方に

『パタヤ編』成立カップルは? 一途さが実を結ぶ結末に

 〈てか今、何してるかな? とか考える時間が徐々に増える 夜が長ければ長いほど良いと思うようになった最近〉なんて数年前の歌を思い出してしまった『パタヤ編』最終回。好きな人を想う時間の長さ=当人が抱く想いの強さは決して常にイコールにはならないし、『今日好き』でいえば旅の途中から意中の相手が切り換わっても、なんら問題のないことである。が、今回ばかりはさすがに、どの成立メンバーも旅の初日から育んできた“一途さ”が実を結んだといえる、旅の終着点として非常に納得感を得られる『今日好き』だった。

 『パタヤ編』では、なんと全3組ものカップルが成立。女子陣4名で考えると、ほとんどのメンバーがこの旅を通して彼氏を見つけたことに。久しぶりに盛り上がる展開の最終話となった。

 カップルとして結ばれたのは、告白した順に、じゅんのすけ(岩本准之介)×ゆのん(中島結音)、はせはる(長谷川脩士)×ねね(古園井寧々)、まつはる(松田陽斗)×その(平松想乃)。2日目時点ですでにカップル成立の可能性が濃厚だったまつはる×そのはさておき(それでも告白順が最後になったあたり、“もしや告白失敗も?”と、一時はドキドキさせられてしまったが)、じゅんのすけとはせはるは、ともに第一印象の段階から一途さを貫いてきたメンバーである。成立カップル数の多さがすべてを物語るわけではないが、それだけ多くのメンバーが心を通じ合えたという事実に変わりはないだろう。

ひなた&はなみち、“好きな人の恋を応援したい”が表れた行動とは?

 “心を通じ合えた”……のはなにも、彼らだけに限ったことではない。今回は惜しくも告白に失敗した、ひなた(小串日葵)、はなみち(植野花道)、たいし(池田大志)にも当てはまることだ。もしかすると恋愛という側面を考慮せず、“想いを伝えられた”や“共感できた”という面だけに目を向ければ、成立メンバー以上に心を通わせられていた可能性すらあるかもしれない。

 例えば、ひなたは“最後のアピールタイム”で、はなみちに一通の手紙を渡す。そこに綴られていたのは「大好きでした」という“過去形”の想い。今回の最終告白は男子から。はなみちは昨日の時点で、ひなたではなく、ねねへの告白を決めている。つまりは、ひなたがはなみちに想いを伝えられるのは、このアピールタイムが最後だったわけだ。

 だが前述の通り、あくまで本来的には自分の存在を“アピール”する目的で時間が設けられていながらも、ひなたが伝えたのはこの旅での感謝。はなみちを振り向かせるのではなく、むしろ過去の“よき思い出”として、心のうちで今日までの日々を真空パックしてもらう。それが今後、継続メンバーとして再び巡り合ったときなどに、もしかすると新たな恋に発展するのかもしれない。そんな未来をひなた自身が見据えていたかはわからないまでも、彼女の人柄が表れた、春風のように爽やかなひとときだった。今回のようにいい意味で湿っぽくならない別れ方を、ぜひ今後の旅でも見続けたいものである。

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