オーディオ評論家・野村ケンジが推す、ソト遊びにピッタリなプロジェクター&スピーカー5選

野村ケンジが推すプロジェクター&スピーカー

ドウシシャORION AUDIO『SCR-B7』 「懐かしのラジカセを屋外で楽しむ」

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ラジカセ然とした一体型スピーカー

 1980年代を彷彿とさせる、“ラジカセ”然としたデザインにこだわった一体型スピーカー。UVメーターやイコライザー表示のインプットレベルメーター、大きなダイヤルによって調整するラジオチューナー、操作ボタンのデザイン、大型ウーファーを採用した2ウェススピーカー、など、リアル世代にも十分納得のいく外観に仕上げられている。

 それでいて、中身は現代の製品ならではの内容となっている。Bluetoothワイヤレス対応であること、USBメモリーやMicro SDからのデジタル音源再生が可能なことなど、当時にはなかった機能性が盛り込まれ、便利に活用できるようになっている。なお、BluetoothはSBCコーデックのみの対応となる。また、メモリー再生は192kHz/24bitのflac音源なども再生してくれるので、ひと昔前の無印ラジカセと違って実用的だ。

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バスブースト機能が付いていて、迫力のサウンドを楽しめる

 いっぽう、カセット部分は 2ヘッド式のステレオカセットメカを搭載し、再生と録音が可能。また、テープが最後まで行ったとき自動的に再生を止めてくれる 「フルオートストップメカ機能」も搭載しているので、テープを傷めることなく再生や録音することができる。チューナー部はFMとAMに対応、そのうちFMはワイドバンド(FM波でAM放送が楽しめるFM補完放送)の受信が可能となっている。12.5cmウーファー+3cmコーンツイーターによる2ウェイシステムは、バスブースト機能が付いていて、迫力のサウンドを楽しむことが可能だ。

深掘りポイント

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屋外での利用にマッチするサウンド

 やはり、ラジカセは屋外がよく似合う。バスブースト機能によって屋外でも迫力あるサウンドが楽しめる。特に、カセットテープの音が魅力的。試聴には残念ながらデジタルマスター時代の“あえてカセットテープ版を作りました”タイトルしか手元になかったが、それでもいい意味でアナログライクな音の、耳馴染みのよいサウンドが楽しめた。総じて、全ての音は届かないが、ヴォーカルやリズムパートなど重要な聴かせどころが普段より強調されている印象。特に屋外での利用にマッチするサウンドと思えた。

 ひとつだけ残念なのが、ポータブル活用には単1アルカリ乾電池が6本ほど必要なこと。“ラジカセ”なのだから当たり前だが、イマドキは単1電池を使い捨てにするのも気分的に躊躇してしまうのも確か。今後は別売で(乾電池内蔵部分などを利用して一体感のある)バッテリーなどの登場に期待したいが、とりあえずはポータブル電源の活用するのがよさそう。

 ダブルカセットでなくオートリバース機能もない、ラジカセ黄金期を知る世代にとっては“惜しい”と思える機能性だが、ここまで“当時らしさ”にこだわった製品はほとんど存在していないのも確か。この姿を見て懐かしい!と思える人は、ぜひ一度その音を確かめて欲しい。

JMGO『N1 Ultra』「いつでもどこでも手軽に極上4Kシアター」

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映像だけでなく音声もこれ1台のみで楽しめる

 3色レーザー光源を搭載した、Android TV 11採用の4Kプロジェクター。左右360度、上下135度の方向に回転させられるジンバル(スタンド)を採用、オートフォーカスや自動台形補正などの自動調整機能とあわせて、様々な場所でスムーズかつスピーディーに活用することができるようになっている。加えて、OSにはAndroid TV 11を搭載。YouTubeやAmazonプライム・ビデオなどを手軽に楽しむことができる(多くのプロジェクターがそうであるようにNetflixには非対応で現在交渉中とのこと)。また、デンマークのDYNAUDIO(ディナウディオ)社との協業によるスピーカーシステムを搭載していて、映像だけでなく音声もこれ1台のみで楽しむことができる。

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自社開発エンジン「MALC」と組み合わせることで、既存製品よりも格段に良質な明るさと色鮮やかさを実現

 メインの映像系は、ネイティブ4Kであること以上に、3色レーザー光源を搭載していることが大きなトピックだろう。こちらは従来よりも2倍程度の高い発光効率を得られるレーザー光源モジュールを採用、さらに自社開発エンジン「MALC」と組み合わせることで、既存製品よりも格段に良質な明るさと色鮮やかさを実現しているという。結果として、2200CVIAルーメン(一般的なANSIルーメンよりも厳しい規定とのこと)という明るさ、1600:1のコントラスト比、BT.2020をほぼカバーする色鮮やかさを確保したとアピールする。また、自社開発の独自機構「LSR」によって、レーザー光源ならではのざらつきも解消している点もポイントだ。

深掘りポイント

 正直、ネイティブ4Kプロジェクターが30万円以下の価格で購入できるだけでも大いに魅力的だが、『N1 Ultra』は映像の明るさや色合いのよさでもさらに魅力が増す。しかしながら、いちばんの“欲しくなる”ポイントはジンバル機構と自動調整機能の組み合わせによる、設置のスムーズさだ。製品をポンと置き電源をオン、スクリーンに映し出したのちに数秒でベストな状態にオートで調整してくれる。その調整スピードの早さ、的確さは驚くべきレベルで、キャンプなどの屋外では大いに重宝してくれるはず。ちなみに、天井投写に切り替えることもでき、こちらも数秒でベストな画面にしてくれる。この設置のスムーズさは、大きなアドバンテージとなっている。

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4Kプロジェクターなので映像がとても美しい

 映像に関しても、かなり明るいため夜だけでなくまだ日の出ているよう型、さらに日陰であれば昼までも活用できそう。しかも、4Kプロジェクターなので映像がとても美しい。電源が必須なため屋外ではやや使い場所が限られるが、消費電力がそれほど多くないため、ポータブル電源があれば問題なし。屋外でも室内でも、仲間大勢で様々なコンテンツを楽しむことができる、出来のよい製品だ。

BenQ『GV30』 どんな場所でも楽しいお手軽プロジェクター

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自動調整機能とも相まって様々な場所でスマートに活用可能

 壁にも天井にも投写することができる、回転式のユニークなデザインが特徴のモバイルプロジェクター。回転は手軽におこなえるうえ、自動調整機能とも相まって様々な場所でスマートに活用することが可能となっている。

 映像面では720pの解像度と300 ANSIルーメンの明るさを確保。独自のUSBスティックを内蔵することでAndroid TVの搭載によって、YouTubeやAmazonプライム・ビデオを楽しめるほか、様々なアプリを活用することもできる。ちなみに、内蔵スティックはAmazonの「Fire TV Stic」と互換性があり、そちらに差し替えることも可能となっている(「Fire TV Stick 4K Max」はサイズ的に収納不可)。また、HDMI端子も用意されており、プルーレイプレーヤーなどの外部機器と接続可能だ。

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スピーカーはBluetoothスピーカーとして活用することも可能

 スピーカーは2.1chシステムを採用。映像コンテンツをスピーカーなしの『GV30』のみで楽しめるほか、Bluetoothスピーカーとして活用することも可能となっている。バッテリー持続時間は約2.5時間。キャリングケースも付属しているので、手軽に屋外に持ち運ぶこともできる。

深掘りポイント

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昼までも暗い場所であればそれなりに映像を楽しむことが可能

 当然のごとく自動フォーカス調整、自動台形補正が搭載されているので、切替もあっという間。いちいち細かいところまで画面設定を調整しないで済むのは、大きな魅力といっていい。解像度は720P、明るさも300ANSIルーメンと突出したスペックではないが、メリハリのよい絵作りによる恩恵もあってか映像クオリティに不満をおぼえることはない。屋外での活用は主に夜になるが、昼までも暗い場所であればそれなりに映像を楽しむことが可能だ。

 このサイズの割に、スピーカーの質も悪くない。ステレオイメージはそれほどハッキリしていないが、かなりの音量まで上げられるメリハリのよいサウンドとなっているため、単体活用もあり。とはいえ、もっと音に迫力が欲しいという人は今回紹介している『SRS-XG300』などBluetoothスピーカーを接続したほうが良さそう。アナログ(ヘッドホン)出力があるので、優先スピーカーと繋げることも可能だが、屋外であればやはりケーブルに縛られないBluetoothスピーカーがオススメだ。

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