『今日好き パタヤ編』2話ーー出会って数時間で女子メンバーが涙……半日デートへの指名が短期決戦の恋の命運を分ける

『今日好き パタヤ編』2話

ひなたの涙&ねねの笑顔から考える、高校生にとっての“大恋愛”

 この世に数多くの恋愛番組が存在するなかで、なぜ『今日好き』に惹かれるのだろうか。旅に参加する高校生が美男美女揃いだから? 2泊3日という時間制限が一気に恋を加速させるから? それとも、子どもと大人の過渡期にある存在の曖昧さや、そんな彼らが心の距離を縮め合う様子に胸を締め付けられるから? 答えはさまざまだろう。

 そのなかで、ある種のアンサーを見出せるのが『パタヤ編』2話だった。舞台は初日夕方。この日の夜に用意された特別なデートの権利をかけて、男子メンバー5名がビーチ相撲対決をすることに。勝負の結果、『フーコック島』でも半日デートをかけた重要な局面で勝負強さを見せたはなみち(植野花道)が優勝し、気になる相手であるねね(小園井寧々)を指名。晴れやかにふたりきりでのデートに旅立っていった。

 ここで注目したいのが、はなみちを慕うひなた(小串日葵)。自身が指名されなかったことが悔しく、悲しく、寂しかったのだろう。とはいえまだ旅も始まったばかりだし、はなみちとはまだ出会って数時間。言い方は悪いが、そこまで思い入れもないはず。だが、彼女の瞳にはすでに涙が。

 たしかに『今日好き』は2泊3日の短期決戦。何気ない出来事が心変わりのターニングポイントにもなり得る。が、あまりに一喜一憂しすぎではないかとまで考えたところで……いや、むしろその逆なのだと気付かされた。一喜一憂をしてはいけない。受験でも仕事でも、なんらかの結果が返ってくるたびによく言われる言葉だ。だが、恋に模擬試験はないし、告白も一発勝負。なにより、大人になれば感情のコントロールができるかもしれないが、高校生にとっては新たに出会うそれも多いことだろう。ましてや、海外の土地は普段の何倍も煌めいて見えるかもしれない。

 スタジオの恋愛見届け人である井上裕介(NON STYLE)も、はなみちがねねをデート相手に選んだ場面で語っていた。「恋は目の前の人しか幸せにできない」。その場ごとに選択を迫られ、すべてにおいて真剣だからこそ、一喜一憂して仕方がないし、そもそも一喜一憂をすることは悪ではないし、なにより我々視聴者はきっと、高校生がピュアな感情で一喜一憂する様子に、よくも悪くも感情を動かされてしまうのだ。

 一喜一憂の“喜”の感情でいえば、はなみちとのディナーで顔を真っ赤にしていたねねも同様。ここでは、スタジオゲストのゆうちゃみ曰く「鳥肌が立つ」というはなみちのかわいらしくも笑いにくい一発ギャグをぶつけられて、共感性羞恥が発動していないことを願うばかりだが、彼からのまっすぐなアプローチによって、画面越しでもわかるくらいに顔を火照らせていた。

 感じるものすべてが“大恋愛”。前述した感情を動かされる理由や、そもそもここまで想いが表情に表れるメンバーがすべてに当てはまるわけではないのは事実だが、数多くの恋愛番組が存在するなかで、『今日好き』に惹かれる理由はここにあるのかもしれない。繰り返しになるが、まだ旅も初日。それでもひなたが流した涙、ねねの火照った笑顔には、ここまで記したことを考えさせてくれるには十分すぎるほどの説得力があった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる