あの人のゲームヒストリー 第二五回:柳美稀
ゲームから得たものを“表現の糧“に 『ジュウオウジャー』『賭ケグルイ』などで知られる柳美稀が語る「ゲームとともに歩んだ20年」
「ゲーム実況」『Vainglory』との出会いから、協力・対戦ジャンルに傾倒
――その後、現在にいたるまでずっとゲームに熱中されてきたんですか?
柳:いえ、学生時代には部活動を理由に少し離れた時期もありました。またプレイするようになったのは数年前からです。
――再開にあたって、なにかきっかけのような出来事があったり?
柳:ゲーム実況を観るようになり、情熱が復活しましたね。
――最近はどのようなタイトルをプレイしていますか?
柳:『Apex Legends』や『ホグワーツレガシー』、『Dead by Daylight』などで遊んでいます。
――子どものころにハマったタイトルとは打って変わり、コアゲーマー向けのタイトルが並びましたね。
柳:そうなんです。ゲーム実況で熱が戻ったこともあり、少し選ぶものが変わってきました。大人になってからはオンライン上で別のプレイヤーと協力・対戦するゲームがお気に入りですね。
――お見かけした情報によると、スマートフォン向けのMOBA(※1)『Vainglory』もやっていらっしゃったとか。
柳:かなりハマっていましたね。相当やり込みました。私はローム(※2)というポジションを担当していて。楽しかったんですけど、サービス終了になってしまいましたよね。
――対戦ゲームを好きになったことのルーツは、ここにもあるかもしれませんね。
柳:言われてみればそうですね。人と戦うことの楽しさを覚えてしまったために、協力・対戦ジャンルから抜け出せなくなりました。
――いつもどのようなタイミングでゲームをプレイしていますか?
柳:日によりますが基本的には夜の12時から朝の4時、5時くらいまでが私のゲーム時間になっています。
――では、お仕事から帰宅して一段落してからの時間をゲームに充てているんですね。
柳:そうですね。いつでもプレイできるようにPCを起動しておくのが、帰宅してからの決まりごとです。
――お仕事に支障が出ない範囲という条件はありつつ、割とまとまった時間が取れているんですね。
柳:あらためて振り返るとそうですね。自分でも気づいていませんでした。ゲームしていない時は「はやくコントローラー握りたい!」が口癖になっていますね(笑)。
※1…Multiplayer Online Battle Arena(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)の略語。複数のプレイヤーが2チームにわかれ、味方と協力しながら敵の本拠地の攻略を目指すリアルタイムストラテジーのサブジャンル。
※2…味方のサポートを主な役割とするポジション。後期には「キャプテン」に改称された。
マイベストゲームは「選べない」。各タイトルに詰まったたくさんの思い出
――ここまでさまざまなタイトルの名前が挙がりましたが、柳さんのゲーム人生すべてを振り返って「マイベストゲーム」を選ぶとすると、どのタイトルになるんでしょうか?
柳:えー、難しい! ひとつだけに絞れない! 『モンスターハンター:ワールド』も、『ARK: Survival Evolved』もやり込んだし……。でも『Apex Legends』も捨てがたいです。ひとりで頑張って、少しずつうまくなった思い出があるので。その3作のうちのどれかになると思いますね。
――『Apex Legends』をずっとひとりでプレイとなると、けっこう骨が折れそうですね。人といっしょに遊ぶより、ひとりでじっくりゲームに向き合うことのほうが多いんですか?
柳:私、自分から人に遊ぼうって言えないんです。「相手も忙しいだろうし、私が誘ったから仕方なく遊んでくれてるんじゃないだろうか」とか考えてしまって。だから誘われなければひたすらひとりでプレイしています。考えすぎだとは思うんですけど、なかなか直らない性格ですね。
――いま周りにいるご友人は、ゲーム好きな方が多いですか?
柳:そうですね、ゲームがきっかけで仲良くなった方がほとんどです。一昔前はゲームというと男の子の遊びというイメージでしたけど、最近は女の子でもゲームが趣味だと公表する方が増えたじゃないですか? そのおかげで私みたいな引っ込み思案でも、ゲームをきっかけに仲良くなれることが増えてきました。
――そうやってできたご友人といっしょにゲームで遊ぶことも?
柳:もちろんあります。『ARK: Survival Evolved』は友人に誘ってもらってプレイしたタイトルですね。いっしょに遊んでいると没頭してしまって、気づいたら12時間くらいプレイしていることもありました。夕方からスタートして、気づいたら朝になっていたり。ヘビーゲーマーの時間の使い方ですよね。
――はっきりとした目的があるゲームではないので、なんとなくずっとプレイできてしまうところが『ARK: Survival Evolved』にはありますよね。
柳:そうなんですよね。私はテイムしたモンスターに変な名前をつけて、ペットみたいにかわいがっていました。友人に「戦いに行くよ!」と言われても、「かわいそうだから絶対に嫌だ!」って(笑)。私にとっては育成シミュレーションでしたね。個体もじっくり選別したりして。
――思わぬところで「ポケモン」シリーズや『たまごっち』とつながりました。
柳:なるほど、私の育成に対する情熱はそこから始まっていたんだ(笑)。ついに恐竜も育てるようになってしまいました。