『Weekly Virtual News』(2023年3月6日号)
Meta Quest Pro、突然の大幅値下げに揺れる人々。VTuber業界では再編やAI VTuber特化の兆し
3Dアバターによって社会はどう変わる? キーマンによるトークセッションを紹介
「メタバース」という言葉が広まる中で、同じくらいの頻度で「アバター」という言葉も耳にする人は増えただろう。特に『VRChat』では市販のアバターを購入し、カスタマイズすることで”自分の身体”を用意するのがひとつのトレンドだ――という話は、当連載ではちょくちょくしてきた。とはいえ、カルチャー的な視点での言及が多く、ビジネスや社会課題の観点で論がほしい人に刺さっているかどうかは、筆者にはやや自信がない。
そんな方にもチェックしてほしい動画が先週出た。社会課題解決に取り組むミレニアル・Z世代を表彰するアワード「BEYOND MILLENNIALS 2023」にて、「Next Coming」という枠で受賞した3Dクリエイター・mio氏と、メタバース関連事業を手掛けるShiftall株式会社の岩佐琢磨氏による、アバターをテーマとしたトークセッション動画だ。
ソーシャルVR向けの3Dキャラクターモデラーというレアな職業に至った経緯や、ソーシャルVRを中心としたクリエイターエコノミー、そして「VRアバターは究極のダイバーシティ」という観点から、アバター文化が社会をどう変えていくか――幅広い論が展開されている動画となっている。エンドユーザーのアバター購入・使用動向や、「(VRChatは)女性もかなり増えている」という最新情勢、意外に感じる話も多く見られるだろう。
個人がアバターを持ち、まるでアパレルのように切り替えて使用する世界は、ECサイト「BOOTH」での3Dモデルカテゴリの取扱高が24億年にも上っている通り、すでに大きくなりつつある。上記動画で、岩佐氏は「VRはすでに”社会”です」と語っている。「対価性」が発生しつつある社会があることは、幅広い人が知って損しないだろう。