Meta Quest Pro、突然の大幅値下げに揺れる人々。VTuber業界では再編やAI VTuber特化の兆し

Meta Quest Pro、突然の大幅値下げに揺れる人々

突然のQuest Pro値下げがもたらすもの

 3月4日に突如、『Meta Quest Pro』の価格改定が発表された。改定後の価格は税込で159,500円。改定前の税込226,800円から、大幅な値下げとなる。『Meta Quest 2』の256GB版も税込64,405円へと、1万円ほど引き下げられるとのことだ。

 大幅な値下げによって多少は手に届きやすくなり、開発者などを中心に『Meta Quest Pro』を仕入れる動きは生まれる可能性がある。だが、改定前の価格で買った人にとっては青天の霹靂だろう。いまのところ、返金対応などについては発表されておらず、純粋に割りを食った形だ。5ヶ月後の改定もいささか早い。『Meta Quest Pro』そのものはともかく、これを取り扱うMetaに対する不信が生まれるのは避けられないだろう。

 その一方で海外メディア「The Verge」は、『Meta Quest 3』と推測される新型VRヘッドセットや、AR対応スマートグラスのロードマップを突如報道した。おそらくリーク情報と思われるが、『Meta Quest 3』は「2倍薄く(=半分の厚さ)、少なくとも2倍の性能」となるらしい。そして、こうした「いつ出るかわからない後続機」の情報も、エンドユーザーに対し難しい購入判断を迫る。

 『VIVE XR Elite』や『PICO 4』、そして『PlayStation VR2』など、強力な競合がひしめく2023年において、Metaがどれだけユーザーの信頼を維持できるか。それは製品スペックの追求以上に、重要な駆け引きになるだろう。

老舗の分社化・再編や、AI VTuber特化事務所の設立。年度末のVTuber企業動向

 年度末だからか、VTuber業界の動きは慌ただしい。『VOMS Project』の天野ピカミィなど、活動終了を発表するVTuberも体感では多い。その一方で、組織新設や再編の動きも見られる。

 初期からVTuber業界に乗り込み、現在はメタバースにも手を広げているREALITY株式会社は、事業単位での分社化を発表した。スマホ配信・メタバースアプリ『REALITY』を開発運営するREALITY株式会社はそのままに、法人向けメタバース事業を担うREALITY XR cloud株式会社、VTuber事業を担うREALITY Studios株式会社を新たに立ち上げた。Web3事業を担うBLRD PTE. LTDも合わせ、4社体制で事業を加速させる。

2023年3月10日/11日初配信、FIRST STAGE PRODUCTION始動!

 REALITY Studiosからは早速、VTuber事務所『FIRST STAGE PRODUCTION』が発表された。初期所属VTuberはオーディション選出の7名であり、3月10日より活動を開始する。ニューカマーに加えて、REALITY StudiosにはKMNZ、VESPERBELLの2ユニットや、バーチャルシンガーに特化したレーベル〈RK Music〉も存在する。今後も複数の事務所を設立するようで、新人とベテランが共存するVTuber企業としてさらなるプッシュをかけられるかは注目だ。

 一方で、VTuber業界では「AI VTuber(AITuber)」が新たなトレンドとして立ち上がりつつある。AIによって自律稼働し、成長すらしていく”中の人がいない”VTuberに、最初期から取り組んでいたのがPictoria株式会社だ。3月3日、同社はAI VTuber特化の事務所「AI CAST」の設立を発表した。

 2020年より稼働してきた紡ネンから得られてきたAI VTuberの知見を持つという点で、Pictoriaが特化事務所を立ち上げる流れは理にかなっている。AI VTuberは個人開発の流れも加速している中で、企業が長年の積み上げをどのように発揮していくか注目したい。「AI CAST」最初の所属AI VTuberは、3月3日時点で「来週配信開始予定」とのことだ。

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