日本版『Got Talent』優勝者は? 浜田雅功の「憎たらしくなった」評価も 『Japan's Got Talent』ファイナル

 最後はゴールデンブザーを作動させた2組の演技となる。まずはセミファイナルにて松任谷由実「春よ、来い」を用いた鮮烈な演技で審査員を唸らせた帝塚山学院高等学校ダンス部。コロナ禍により。現3年生は入学式もなく、ダンスの練習もリモートで個人練習ばかりだったという。出たかった大会もなくなり、最後の大会も欠場となってしまったメンバーもいた。

 そんな彼女たちが大一番で披露するのは「コロナ禍でも立ち向かっていくというエール」となる作品。赤と白の衣装も映え、モダンダンス調の舞いからは力強い覇気が迸る。卒業を控えるメンバーにとっては最後の舞台ということで、終了後は涙も光った。このパフォーマンスに山田は「すごい。お金を払って感激しにきた感覚になりました」と興奮ぎみに。

 トリを務めたのはニューハーフのオペラ歌手・Maria Seirenだ。男性と女性の声域をひとりでカバーする歌は、自身曰く「神様からの贈り物」。さらに歌は人生の相棒、歌うことを使命のように感じているのだという。

 純白のドレスで登場したMariaが歌ったのはホルスト組曲「惑星」より「Jupiter」。純白のドレスで導入部は高音域から歌い始め、途中から男性的な中域を混ぜていく。特にテナーからソプラノ部へ音を繋げていく超絶ポルタメント技法は圧巻だった。後半部は男性域で猛攻。最後はロングトーンで解決音に着地させつつ、迫力を出してエンディングへ。

 この歌唱にGACKTは「最後を飾るにふさわしい歌だった。ずいぶん奥の方まで届けて歌うんだなと思っていました」と賛辞。Mariaも「宇宙に恋をして平和を願って歌いました。今はとてもさわやかな気持ちです」と緊張からの解放を語る。これによりオーディション出場者のすべてのパフォーマンスが終了した。

 ウエスP、ゆりやんレトリィバァのパフォーマンスに続いて、運命の結果発表。栄えある1位は圧巻の歌唱を聴かせたMaria Seirenの手に。そして2位・帝塚山学院高等学校ダンス部、3位・CJDA と続く。

 優勝についてMariaは「ひたすらやることに集中して、他は一切見ない。自分だけを見つめてこのステージに立つことができました」と冷静なコメント。浜田から賞金1000万、広瀬からラスベガス「V Ultimate Variety Show」出場権が手渡された。

 日本初チャンピオンの誕生を受けた、セミファイナル審査員たちのコメントは以下の通り。

 「当然素晴らしかったし、みんな素晴らしかった。どれくらいの差かはわからない。次があるのであれば、もっと多くの人が登場してくれればいいなと思います」(浜田)

 「歌が、見ている方全員に届いたことがうれしいですし、厳しい予選を突破して結果を残せたということが同じ歌手として嬉しいですし。これからも頑張っていただきたい」(GACKT)

 「今回は審査ではなく、楽しむ立場だと思っていたのですが、こんなにドキドキするとは思わなかったです。『Got Talent』のよさだなと。興奮しました」(山田)

 「呼吸を忘れるくらい見入ってしまいました。日本を代表するにふさわしい方だと思いました」(広瀬)

 これを以て日本代表となったMaria Seirenはラスベガスのショーに照準を合わせることになる。規格外でユニークな歌声が世界でどのように受け取られるのか楽しみだ。そして、次回以降の『Japan's Got Talent』でさらなる才能が現れることに期待したい。

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