モータージャーナリストが最新輸入車「ボルボ」&「AMG」をレビュー!

メルセデスからAMGへ

 メルセデスベンツの『SL』というと同ブランドの2ドアスポーツモデルの象徴。そしてメルセデスブランドだけでなく、より速さを求めるオーナー向けにはサブブランドである「AMG」も用意されてきた。しかし2021年にデビューしたモデルはメルセデスから姿を消し、『AMG』2+2シーターとして登場した。そしてそのルーフは5代目のR230型から継承された電動メタルトップのバリオルーフからオープンカーのシンボライズでもあるソフトトップに変更されているのが特徴だ。スポーツカーの走りを支えるボディ剛性はどうか、というと先代に対して18%のねじり剛性がアップ、エクステリアは長いボンネットがいかにも『 SL』らしいプロポーションだ。現行AMGのデザインアイデンティティとなりつつある縦型ルーバーのあるラジエターグリルは往年の名車、『300SL』を彷彿させる。

F1譲りのターボ技術を搭載

 エンジンはマイルドハイブリッド搭載の2リッター直4ターボ。スペックは381PS/480Nm。リッターあたり200PSに届こうか、というもの。4代目にはAMGリリースの7.3リッターV12を搭載していたモデルもあったり、本国には4リッターのV8ツインターボもラインナップしたりしているが日本へは今のところ2リッターのみ。走り出すとかなり軽快。乗り心地は最高速275km/hを誇るクルマと考えればかなりいいと感じられる。なによりエンジンのピックアップの良さが気持ちいい。今までのV8とは違う速さのベクトルだ。

 搭載されるターボは電気モーターが直接ターボの軸を動かすF1譲りの技術だし、9ATは素早いシフト操作に主眼をおいた湿式多板クラッチを採用する AMGスピードシフトMCTだし……と知識だけでも楽しめる。もちろんドライブモードを切り替えると明らさまにクルマのキャラクターが変わる。野太いエグゾーストサウンドがしっかり聞こえる、これこそオープンスポーツカーの醍醐味だ。

参考情報

ボルボ
https://www.volvocars.com/jp/

メルセデスAMG
https://www.mercedes-benz.co.jp/

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