『今日好き サムイ島編』4話ーーハグをして「ずっと好き」と耳元で囁く 一発逆転を狙ったアプローチは吉と出るか?
はると、“やけ酒”ならぬ“やけジュース”で一発逆転へのエナジーチャージ
『サムイ島編』4話では、旅の2日目夕方〜最終日午前の模様をオンエア。3話時点ではわからなかった、“花くじ”で青い花を引いた女子がみさき(佐野実咲)であることが明かされ、彼女が意中のたつや(南平達矢)を誘い、ふたりきりでのショッピングデートを満喫した2日目。たつやとのこの旅での思い出を振り返るべく、りさ(坂本理紗)が得意のイラストで絵日記をしたためてきた最終日。そうしたハイライトは数々ながらも、4話で視聴者、そしてスタジオの“恋愛見届け人”一同を釘付けにしたのが、こはる(黒江心温)を必死に追いかけるはると(大枝晴大)の姿だろう。
男子同士でのフリースロー対決にて手痛い敗北を喫し、自身と同じ『高校生ミスコン』出身者としてかねてから繋がりがありながら、現在は“ぽっと出”のさんざ(久保田燦)と半日デート中の事実に心を失ってしまっているはると(念のためだが、この“ぽっと出”という言葉は、はるとの言葉の端々から滲み出る怒りを代弁してのものだ)。ふたりに先駆けてディナーの席に着くも、その表情は、無。こはるの到着が待たれるばかり。
と、長かった沈黙のときを経て、こはるがようやく帰還。この半日でさんざと仲を深めた様子がちらつくあたり、若干いぶかしげに思っていそうだが、はるとがようやく息を吹き返した。その後、手元のグラスに入ったジュースに繰り返し口をつけ、ついには一気に飲み干すところまで、順風満帆とは程遠い恋模様への感情を表しているかのよう。恋愛見届け人たちからも指摘されていたが、実際の中身はジュースであり、決してそんな事実はあるはずもないのに、なぜだかアルコールが入っているようにも思えてしまう。
やさぐれ感、あるいは“やけ酒”ならぬ“やけジュース”というべきか。喉の渇きを潤すためでなく、心のなかの失った部分を水分で埋めるかのように。やるせなさをごまかすための作業のようだった。最後には、もう空になったグラスを傾け、あるはずのないなにかを求めるところまで本当にリアルである。いくら年齢的に成熟していない高校生といえど、ここまで自身の心情が行動に反映されるメンバーもまた珍しいものだ。