『PSO2』10周年&「PSO」35周年記念 懐かしの楽曲も登場したコンサート『シンパシー2023』レポ
第二部は、2008年に携帯機向けの作品として発売された『ファンタシースターポータブル』のオープニング映像に合わせて制作された楽曲「Save This World - νMIX-」からスタート。ロック色の強い楽曲「Save This World」がサイバーなイメージのもとで生まれ変わり、アネット氏が『シンパシー2013』以来10年ぶりに同曲を熱唱した。
さらに同作のナンバリングタイトル『ファンタシースターポータブル2』のオープニングテーマ「Living Universe」が続けて歌唱されることになり、アネット氏の隣に歌手のエイミー・ブラックシュレガー氏が加わったツインボーカル版が初披露。これまでの『シンパシー』では、ソロボーカルとして歌われていた楽曲だが、本公演にアネット氏が出演したことによって、初のツインボーカルが実現した。
15曲目には『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』のオープニングテーマ「Ignite Infinity」が披露された。サビ前に「インフィニティ!」という掛け声があるロック色強めの楽曲で、アネット氏が歌唱した『シンパシー2015』から8年ぶりとなる熱い歌声を響かせた。
16曲目は、『ファンタシースターユニバース』のエンディングテーマ「For Brighter Day」。会場のボルテージが高まる中、ここでセガで長年にわたってサウンド開発、声優、歌手として活躍を続ける光吉猛修氏が登壇。
観客席に向けて語り掛けるMCトークで場をさらに盛り上げつつ、『PSO』プレイヤーになじみ深い「Burning Hearts ~炎のANGEL~」を熱唱した。この曲はセガサターン用ソフト『バーニングレンジャー』の主題歌として制作されたのだが、後年『PSO』や『PSO2』のゲーム内で用いられることとなった。
第二部のラストを飾ったのは、直近でもアップデートが続いている作品『PSO2 ニュージェネシス』(以下、『NGS』)の登場キャラクターであるナーデレフのボーカル曲「戦いの歌 ~Against fate~」。そこでナーデレフ役の田所あずさ氏が壇上に立ち、シリーズ全体で稀有なジャズやビッグバンドの要素をもつこの楽曲を歌い上げた。
第三部では田所氏のボーカルに続くようにして、『NGS』の楽曲が次々に演奏された。まずは『NGS』プレイヤーにとって、ホームグラウンドのような存在である拠点のBGM「Central City」を皮切りに、『NGS』内のエリアごとにまとめられたメドレー「Aelio Region Medley」、「Retem Region Medley」が披露された。
ふたつのメドレーを終えると、田所氏が再び登壇。ナーデレフにまつわる劇中で披露された楽曲「弔いの歌 ~The beginning wind~」をオーケストラの演奏とともに歌い上げた。その後は、さらにふたつのメドレー「Kvaris Region Medley」、「Stia Region Medley」が続けて演奏された。
そして第三部の最後に披露されたのは、『NGS』作中での特別な戦闘時に流れる「Second Invasion」、「Meteorn's Song」の2曲がメドレーとなった「Dark Falz - Second Invasion ~ Meteorn's Song」。再びステージへ上がったエイミー氏が、ボーカル曲とは趣向が異なるこの曲を見事に歌いきっていた。
以上をもって本公演は終幕したものの、観客席からの拍手が鳴りやむことはなく、アンコールとして『PSO2』のエンディング曲である「Thank you」に加えて、『NGS』のメインテーマ曲「A World Beyond The Sky」の2曲が演奏された。両曲ともエイミー氏、花れん氏、フローレンス氏、光吉氏の4名が合わせて歌声を響かせ、本公演を締めくくった。
『シンパシー2021』の開催から2年が経過した本公演。35年間の歴史をもつ中での2年という短い歳月ながら、『NGS』というシリーズにおける新たな展開があったことで、曲目が『NGS』に関連して大きく変化していたうえに、過去作全体を見渡せるような選曲もあり、『ファンタシースター』の多彩さと奥深さを全身で体感することができた。今後もシリーズの節目ごとに実施されるであろう『シンパシー』において、未来の新作における楽曲が取り入れられることを心から楽しみにしたい。