素潜り漁師YouTuber、開業資金1億円で水産加工場をオープン 広がり続けるYouTuberの”夢の城”
素潜り漁師YouTuberのマサルが、開業資金1億円をかけて水産加工場をオープンしたことを報告した。
事の発端は、2021年4月に実施したクラウドファンディングにさかのぼる。マサルは、コロナ禍に伴う水産物需要の低下で苦境に立たされる島の漁師たちが稼げる環境を作るべく、水産加工場を立ち上げると決意。そのためのクラファンを「CAMPFIRE」で実施したところ、目標金額300万円に対し、1000万円ほどの支援金が集まった。
順風満帆なスタートを切ったかに見えたプロジェクトだが、いきなり問題が発生する。マサルは当初、自分が暮らす島にある、元々スーパーだった空き物件を加工場に改築しようと計画していたという。ところが、目星をつけていた物件が建つ土地では、県の条例により水産加工場を作れないと判明したのだ。
多くの人が支援してくれたプロジェクトだけに、ここで諦めるわけにはいかない。マサルは土地を購入し、ゼロから工場を建てることを決断。そのための開業資金は1000万円では収まらない。そこでマサルは、21年10月5日に公開した動画で、「とりあえず3000万円の融資を申請する」と宣言した。
その後、しばらく音沙汰のなかった水産加工場建設計画だが、23年1月22日に公開した「1億円かけて夢の工場ができるまでの裏側が凄すぎた。」と題した動画でその内幕が明かされた。
マサルは、苦労した末にようやく見つけた土地に工場を建てるべく、自ら図面を描き、ともに事業立ち上げに関わっている関係会社の担当者とともに打ち合わせ。図面完成後、工場は数か月で完成した。そこから機器のプラグがコンセントに合わない、工場長に採用した人から2度辞退されるなど、最後の最後まで紆余曲折を経て、とうとう営業可能な状態になった。
1月23日公開の動画でマサルは、「長かったですね。2年近くかかったんですけども」と万感の思いで語り、「ほんとにこの2年間。あんまり弱音はいいたくないんですけど、本当にきつかったですね。本当の本当に毎日しんど過ぎて、こんなにしんどいんだったら、死んでしまったほうが楽なんじゃないかなとか何度も思いました」と本音を吐露した。そして「今回の水産加工場、俺が一人でやってたら後5年はかかったでしょうね。本当に色んな人の助けがあって、色んな人の頑張りがあってなんとかここまでくることができました」と感謝の気持ちを述べ、「何はともあれ、ついに、水産加工場完成じゃーい!」と手を叩いて喜んでいた。
こうして、いくつもの苦難を乗り越えて水産加工場を完成させたマサル。22年1月には、魚捌き系YouTubeチャンネル「きまぐれクック」が建設費用1億2000万円をかけてフルオーダーのキッチンスタジオを建てたと発表し話題を呼んだが、今回また一人、魚捌きを得意とするYouTuberが、理想の調理場を搭載した”夢の城”を築くことに成功した格好となった。
今後、マサルがこの水産加工場で、どんなサービスや事業を展開していくのか。引き続き注目したい。