台風明けは本当によく釣れるのか? 漁師YouTuberの検証動画が「急上昇」にランクインした背景

 9月23日に、静岡県に記録的な大雨を降らせた台風15号。小豆島を拠点に漁師YouTuberとして活動するはまゆうは、その台風が小豆島を去った後、漁に出た様子を収めた動画が急上昇にランキングした。なぜはまゆうの台風後の漁動画が注目を集めたのか、今回はその理由を分析してみた。

台風明けの濁川に罠を仕掛けてみた結果...

 小豆島の漁師はまゆうは、魚食の推進と漁業の発展のため、 YouTubeで漁の様子や漁師ならではの魚料理動画を投稿している人気のYouTuber。現在は漁師の仕事とYouTubeでの活動以外にも、10月10日までの期間限定ながらも小豆島国際ホテル内で居酒屋を出店するほか、地元の小学校から水産出前授業のオファーを受けるなど、幅広く活動している人物だ。

 今回の動画は、9月19日の未明に、はまゆうの住む小豆島に大雨をもたらした台風15号の通過翌日に撮影されたもの。台風が通りすぎた直後とあり、はまゆうが漁を行った川の水は濁っている状態だが、果たして魚がどの程度獲れるのか気になるところだ。仕掛けておいた網を上げてみると、カサゴやアコウ、タイ、オニオコゼなどがかかっていたが、全体的には量は少なめ。「台風の波とかで、沖の方に魚が逃げてるっていう可能性はあります」としながらも、「台風明けでもあんまり変わらない」と発言している。

 その後、はまゆうはアナゴカゴ20個を川に仕掛け、日付が変わった深夜に引き上げた際の様子も公開。この時はお目当てのアナゴのみならず、ほかの魚もほとんど取れずに残念な結果に終わってしまった。はまゆうによると、今回アナゴが取れなかったのは台風明けだからではなく、アナゴ自体の数が減っていることが理由とのこと。「あんな少ないことは本当になかった」というはまゆうの言葉からは、漁業界が抱える問題や自然の厳しさが感じられた。

 期間限定でオープンしている居酒屋で、自身が獲った魚を提供しているはまゆうは、獲れないこともあろうかと川のほかの場所にも網を仕掛けていた。「三度目の正直」と書かれたテロップとともに上げられた網を見てみると、立派なタイやメジナ、ヒラメ、アコウ、スズキなどがかかっており、まずまずの結果になった。

 この記事のテーマである、今回の動画「台風明けの濁川に罠を仕掛けてみた結果...」がなぜこの内容が注目を集めたのかを考えてみると、「台風明け」という言葉がポイントだった模様。試しにGoogleで「台風明け」「釣り」といったキーワードで検索してみると、「台風後はよく釣れる」と言う話やその噂を解説したもの、独自調査した記事などが多数あり、どうやらこの話題は釣りを楽しむ人たちには広く知られているものであることがわかる。

 台風が過ぎ去った翌日に、1日で3回の漁を行ったはまゆうは、動画の最後で「めちゃくちゃ魚少なかった」と感想を述べている。結果的には「台風後はよく釣れる」という噂とは異なるものになったが、動画内のはまゆうの発言を今一度みてみると、魚が獲れなかったのは台風の影響ではないと捉えられる。はまゆうだけの検証ではもちろん噂の真相解明にはならないが、普段からその場所で漁をしているはまゆうだからこそ、この結果は真実味を帯びたものになったのではないだろうか。

 YouTubeでもよく話題になる検証動画で、釣り好き視聴者の多くが気になっていた噂をいいタイミングでピックアップしたはまゆう。この検証は釣りに親しむ人々以外にもとても興味深い内容だったのだが、はまゆうのYouTube戦略が功を奏したことが、今回の急上昇ランキングで証明されたようだ。YouTube上で注目される動画を作るためには、タイミングがいかに重要であるかということを実感させられる動画だった。

出典:
https://www.youtube.com/watch?v=hs_Uj9G3RUo

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