ヤドカリが背負える鎧を海外YouTuberがDIY 防御力が高すぎる最強のヤドカリが誕生?

 コメディ感溢れるDIYや実験動画で人気を博す、オーストラリアのYouTubeチャンネル「
I did a thing」(チャンネル登録者数364万人)が、ヤドカリ用に強度の高い鎧を製作する動画を投稿した。該当の動画は、2022年11月19日公開の「I made a tiny suit of armor for a hermit crab」だ。

I made a tiny suit of armor for a hermit crab

 ヤドカリの貝殻は身体の一部ではなく、巻き貝の殻だ。ヤドカリの多くは、幼生から数回脱皮してヤドカリの形に近くなっていく。そうすると、外的や衝撃などからやわらかい腹部を守るために、貝殻を背負うようになる。

 I did a thingは、ヤドカリが自身を守るための貝殻の強度が、それほど高くないことに着目。そこで、強度の高い鎧を与えることで、ヤドカリに触れようとする敵を排除できる鎧の製作を思いついた。

 まずは、ヤドカリが背負っている貝殻を3Dプリンターで製作して型を作る。そこに、熱で溶かした金属を型に入れることで、強度の高い貝殻を製作しようと試みた。サイズが小さいためか製作するのが難しそうで、10回以上試作を重ねついに完成。しかし、金属製の鎧の重量は、90グラムもある。貝殻を背負ったヤドカリの体重が12グラムのため、重たい鎧を背負えないと判断し、製作方法を見直すことに。

 そこで、次に着目したのが、金属の溶液に浸して電気分解する「電気メッキ」という方法だ。3Dプリンターで製作した貝殻の表面に、電気を流したニッケル(遷移金属のレアメタルの1つ)の溶液で覆うことで、貝殻の強度を高めることを試みた。完成した鎧はシルバーで光沢があり、デザインも強そうで見た目も悪くない。

 海岸で捕ってきた3匹のヤドカリを水槽の中に入れ、その中に今回製作したヤドカリ用の金属製の鎧を入れて放置し、実際に背負うのかを観察。最初の1週間はなにも起きなかったものの、その後なんと1匹のヤドカリが、自身の貝殻を捨てて金属の鎧を背負ったのだ。デザインは鎧なので、ほかのヤドカリも強く見える。これなら、さまざまな外敵から身を守れそうだ。本企画後は、3匹のヤドカリを海岸へと戻している。

 I did a thingは、ほかのYouTuberとは一線を画す、企画力に優れたDIY系の動画を出すことで有名。動画は終始コメディに溢れており、思わず笑ってしまう面白さがある。今回の動画も、公開後5日間で300万回も再生される人気を誇っている。気になる方は、この機会にぜひ視聴してみてほしい。

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