幻のゲームの行方やいかに? サービス終了が迫る「ニンテンドーeショップ」に残された5つのナゾ

 前述のニンテンドウパワーは当初、スーパーファミコンを対象にしたサービスとして開始した。ラインナップには本サービス限定の完全新作も含まれ、その中には『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』、『ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女』、『ファミコンウォーズ』といった懐かしのタイトルの新作、リメイクも存在した。また、『スーパーパンチアウト』のような海外先行、日本未発売のタイトルもサービス向けの新作として展開されている。

 このニンテンドウパワーで発売された任天堂新作タイトルの多くはWiiU、Wii、そしてNewニンテンドー3DS(以下、New3DS)のバーチャルコンソール向けに復刻された。

 また、『スーパーパンチアウト』、『カービィのきらきらきっず』はNintendo Switchの『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』の追加タイトルとして配信され、Nintendo Switch Onlineの会員であれば無料で遊べるようになっている。

 しかし、中にはなぜか復刻されずにある任天堂タイトルも存在するのだ。

 そのひとつが、『ドクターマリオ』。1990年にファミコン、ゲームボーイ向けに発売された落ちモノ系パズルゲーム『ドクターマリオ』のスーパーファミコン版だ。厳密には1994年にSuper Nintendo Entertainment System(SNES)向けに発売された『Tetris & Dr. Mario』から『ドクターマリオ』を切り出し、独立させたものである。『ドクターマリオ』自体、ファミコンとゲームボーイ版はバーチャルコンソール版が配信されているのだが、スーパーファミコン版だけは未だ復刻されないままとなっている。

 もうひとつは『Zooっと麻雀!』。またの名を”どうぶつの麻雀”。動物村に現れた麻雀大王の野望を阻止するストーリーを描く「クエストモード」、プレイヤー独自の雀士を作成するシステム、それをパスワードで共有することで楽しめる非同期型の対戦プレイを売りとするゲームで、1998年7月に発売された。

 1998年に発売されたニンテンドウパワー向け新作の多くはバーチャルコンソールで復刻済みなのだが、どういう訳か本作は復刻されず、取り残された状態になっている。

 他にも「ピクロスNP」シリーズ、『POWER倉庫番』といった任天堂新作タイトルが復刻されないままである。ただ、前者は期間限定のコンテンツを含むこと、後者は版権の事情などが復刻の課題になっているものと思われる。

 逆に前述の『ドクターマリオ』、『Zooっと麻雀!』の2作は率直にナゾとしか言い様がない。いつの日か、Nintendo Switchの『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』向けに復刻される展開に期待したいところだが……?

スーパーファミコン版『がんばれゴエモン』シリーズの怪

 ニンテンドウパワーとも多少絡んだ話題として、KONAMIの「がんばれゴエモン」シリーズもある。

 シリーズでもとりわけ根強い人気を誇るのが、スーパーファミコン向けに展開された『がんばれゴエモン』シリーズ4作。これらは2022年現在も、サービス完全終了までの間はシリーズのうちの3作が購入可能となっている。

 しかしここでナゾとなるのが、残る1作が復刻されていないことである。それはスーパーファミコンでのシリーズ4作目『がんばれゴエモンきらきら道中 ~僕がダンサーになった理由(わけ)~』(以下、きらきら道中)だ。

 同作はスーパーファミコンのシリーズ第2作『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』と同じ横スクロールのアクションゲームで、キャラクターごとに異なるステージ、ミニゲーム形式に改められたボス戦、それを元にした最大4人参加可能なマルチプレイモード「遊技場」を特徴としている。

 また、奇妙なサブタイトルが匂わせる通り、作中のネタ要素がシリーズの集大成といわんばかりに極まっている。特に最終決戦からエンディングにかけての展開は、リアルタイムで遊んだ世代ならば腹筋を大いに崩壊させられたと思われるが、いかがだろうか。

 そんな『きらきら道中』だが、Wii、WiiU、New3DS共に復刻されていない。だがニンテンドウパワーの現役当時は、他のシリーズと並んで配信されていたため、バーチャルコンソールでの配信も、同様の形になる可能性が考えられたのである。

 ところがどういうわけかバーチャルコンソールでは唯一、配信されていないシリーズ作となってしまっている。現在の基準で見て、敵の大ボスの設定が倫理的にあまりにも際どい(その名も「セップク丸」である)など、何かしら修正を加えなければならない課題が発生している可能性も推察されるが、やはり真相はナゾである。

 なお、今回のサービス終了で『がんばれゴエモン』シリーズ全作はスーパーファミコンのシリーズ3作に留まらず、新規の購入が不可能になる。

 『悪魔城ドラキュラ』、『魂斗羅』、直近では『ティーンエイジ・ミュータントタートルズ』と、過去作の復刻を積極的に進めているKONAMIだが、『がんばれゴエモン』もまた、現代の環境で遊べるようになることを願うばかりだ。

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