幻のゲームの行方やいかに? サービス終了が迫る「ニンテンドーeショップ」に残された5つのナゾ
eショップのサービス終了で購入できなくなるのは、3DS、WiiUのダウンロード専用タイトルに限らない。『ニンテンドーDSi』(以下、DSi)向けに展開されたダウンロード専用タイトル「ニンテンドーDSi ウェア(以下、DSiウェア)」もその対象となる。
DSiのオンラインストア「ニンテンドーDSiショップ」は、2017年4月2日をもってサービスを終了した。2022年現在はeショップにてDSiウェアが販売されており、3DS本体でのみ新規購入が可能となっている。
そんなDSiウェアで思い起こされるのが『ファミコンウォーズDS 失われた光』だ。戦術級シミュレーションゲーム『ファミコンウォーズ』シリーズの新作で、2005年発売の『ファミコンウォーズDS』のシステムを継承した続編。天変地異によって崩壊した地球を舞台とした硬派な世界観とストーリーを売りとした、異色の作品である。
本作は2008年1月に北米向けに発売され、当初は日本でも遅れて発売される予定だった。しかし諸般の事情で延期を繰り返し、時代が3DSへと移行したのに合わせて、事実上のお蔵入りとなってしまった。
だが2013年、当時の任天堂が運営していた会員制ポイントサービス「クラブニンテンドー」のオリジナルグッズ(非売品)として復活。3DS専用のDSiウェアで、プラチナ会員であれば無料でダウンロードすることができた。後に一般会員向けにも、800ポイントの交換グッズとして提供されている。
残念ながら、2022年現在は「クラブニンテンドー」のサービス終了により、交換およびダウンロード不可能。eショップでの復刻もされていない。
同じく「クラブニンテンドー」のオリジナルグッズとして提供されていたWii用ゲームソフト『エキサイト猛マシン』は後年、WiiUのダウンロード専用タイトルとして復刻している。対照的に『ファミコンウォーズDS 失われた光』は復刻の機会もなく、サービス終了が迫る状況を迎えてしまっている。
なぜ、こうも極端に限定した提供になったのかはナゾ……ではあるが。肝心のゲーム本編が天変地異、疫病の蔓延、一連の極限的状況に置かれた人間の本性といった際どい題材を描いていることから、とりわけ日本国内では表立って展開し難かった可能性が考えられる。
また『ファミコンウォーズ』シリーズは世界情勢の影響を受けやすく、それに極めて敏感なことでも知られる。直近でもNintendo Switch向けに北米、欧州限定で発売予定だった『Advance Wars 1+2: Re-Boot Camp』が無期限延期となっている。世界的にシリーズが展開しにくくなっている現状を思えば、『ファミコンウォーズDS 失われた光』が今後、再版される可能性は極めて低いだろう。それどころか、『ファミコンウォーズ』シリーズ全体の復刻が難しくなっている可能性すら考えうる。
とはいえ、戦術級シミュレーションゲームとして優れた完成度を誇る作品であるだけに、「クラブニンテンドー」のオリジナルグッズのような、特殊な形であっても遊べるようになることを願うばかりだ。
それ以上に願うのは、現在の世界情勢が落ち着くことであるが。
サービス終了ともに消えゆくゲームたちの未来は……?
以上、5つのナゾをピックアップしたが、ほかにも細かなもので、突如としてWiiUバーチャルコンソール版の配信予定が任天堂公式サイトに掲載されたNINTENDO64用ゲームソフト『バンジョーとカズーイの大冒険』、『ブラストドーザー』の件がある。
ただ、こちらは後に誤りであったことが判明している(当時の報道)。
また、『バンジョーとカズーイの大冒険』に関しては『NINTENDO64 Nintendo Switch Online』での配信が実現済みである。『ブラストドーザー』は音沙汰なしだが、『ゴールデンアイ 007』の配信および復刻が予告されているため、後々に加わる可能性は大いに考えられるだろう。いつか再びその名を目にできることを期待したい。
また、ナゾはナゾでもその内のひとつ、『スーパーマリオブラザーズ デラックス』の件は、この場で白黒はっきり付ける意義があるだろうと感じ、リアルサウンドテック編集部は任天堂に問い合わせを行ってみた。
しかし残念ながら、一週間が経過しても回答は得られなかった。とはいえ、既に発表から8年以上が経過しており、ずっと音沙汰がないことを鑑みれば、その答えは察する通りということなのだろう。
思い返せば、パッケージタイトルのダウンロード版販売が始まった当初はアクセス集中の件が騒がれるなど、3DSとWiiUのeショップでは色々な出来事があった。また、各所で誕生したダウンロード配信専用タイトルには光るものが沢山あっただけに、その多くがサービス終了によって遊べなくなってしまうのが残念な限りだ。
まだ多少の猶予はあれど、販売されているタイトルの多くがNintendo Switchを始め、現行の環境でも遊べるようになるかは未知数。そのためにも、「これは復刻されるか怪しいかも……」と思えるゲームは積極的に購入し、悔いのない終了の日を待ちたい限りだ。
そして、ナゾとして挙げたタイトルの多くが、なにかの別の形で救済される日を心待ちにしている。
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